2019 Fiscal Year Research-status Report
日本学研究を担う海外大学若手人材育成:往還する省察的学びのモデル提案と実践研究
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19K14271
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐野 香織 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 講師(任期付) (80774398)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本・日本学研究分野の若手研究者育成 / 日本学と日本語教育の個人関係史 / 個人の人生と教育観 / 創ることで学ぶ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)文献調査:東欧の日本学研究者1名の日本語の学びの経験が言語化された文献を分析、考察した。言語観、学習観は、歴史、社会・政治的な背景と共に研究者個人の人生とつながりながら自らの経験から「創ることで学ぶ」言語観、言語学習観を編んできたことを見いだした。本研究は学会誌に投稿し採択、掲載された。 (2)インタビュー調査:来年度の本調査に先立ち、東欧の若手日本学研究者3名にプレインタビューを行った。インタビューは、対面(インタビュー協力者が訪問研究員制度で来日の機会を利用した。また、学会発表時の機会を利用した)で実施、インタビューデータの文字化が終了している。インタビューでは、1)卒業から今までのプロセス、2)日本学や日本に関する分野との関わり、3)日本語教育実践、社会や周囲との関係、4)自身の力量形成に関することについて聞いた。分析途中経過として、社会・政治的背景や教育システムの変遷を通して、個人の人生に研究観と教育観とが関わりながら、自分たちなりの「学び」と「教育」を創ってきていることが見えてきた。これらの分析途中経過については、2020年開催の学会発表に応募、採択された(2021年度に延期決定)。 (3)学会発表:東欧の日本学研究の学会での発表が採択された。発表では、本研究の基となった博士論文の内容の一部として、日本学研究と日本語教育の実践とのかかわりについて、研究者の学びを創る力が関係することを発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査、データ収集が計画通り進んでいること、これまでの成果の一部を学会発表できたことで、東欧の教育関係者や他の研究者との意見交換ができ、次年度への研究計画につなげることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
1)インタビュー調査(本調査) 文献研究、これまでのプレインタビュー分析結果を踏まえ、インタビューを中心にすす める。インタビューはオンラインインタビューを中心に行う予定である。 2)学会発表 これまでの途中経過について、他の研究者や教育者と意見交換を行い、今後の研究の方向性を確定していく予定である。2件の学会から採択を受けていたが、新型コロナ感染拡大防止により学会発表は中止、延期となった。オンライン開催学会での発表応募を予定している。
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