2021 Fiscal Year Research-status Report
日本学研究を担う海外大学若手人材育成:往還する省察的学びのモデル提案と実践研究
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19K14271
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
佐野 香織 長崎国際大学, 人間社会学部, 准教授 (80774398)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本学研究者 / 省察的実践 / 経験の言語化 / 若手人材育成 / 協働省察 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究計画は、前年度に行った文献研究、実践研究をまとめること、この理論的前提とインタビュー調査結果を基に、日本学研究者の若手人材育成の学びの機会をデザイン、試案構築することである。今年度は主に以下のことを行った。 (1)論文執筆・学術誌への投稿:省察的実践論、経験の言語化、ナラティブに関する基礎文献概観した。これらを基にした実践研究を行い、長期的協働省察に関する論文を執筆、学術誌に投稿し掲載された(佐野ほか2021)。(2)インタビュー調査:本研究は、本来は現地調査を踏まえて行うものであったが、計画をしていたインタビュー調査をオンラインインタビューに切り替えて行った。日本学を専門とする現・元大学院生、若手教員、元教員へのインタビュー調査を行った。並行してインタビュー音声の文字化を行いながら、現在調査結果の分析中である。これらの調査結果から、調査協力者が所属する同機関内だけではなく、多様な立場の教育者・研究者の協働省察の機会のデザイン開発につなげていく。(3)実践活動のデザイン:これまでの国内、国外における省察的実践論、経験の言語化に関する言語教育者の日本語教育実践に関して整理した。これらをまとめた成果は、ヨーロッパにおける学会発表に採択された。また、書籍の1章として出版される予定である。この知見に基づき、本研究における協働省察コミュニティのデザインの試案を行い、今後の実践研究につなげていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ渦により、東欧での現地調査、実施予定であったインタビュー調査が当初の計画通りには進められていないこと、また、その結果に基づいた実践研究も遅れていることが理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
3つの方向で研究の成果をまとめていく予定である。 ①これまでの文献研究、インタビュー調査を生かした協働探究デザイン試案の実践研究を行う。本研究は、若手日本学研究者の成長を支える教師教育の側面も持つ。日本語教育の実践者でもある人材との実践研究を拓くことをめざす。 ②実践研究の成果を学会、研究会等での発表を通して共有する。 ③これまでのインタビュー調査結果をまとめ、論文投稿を引き続き行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による研究計画の変更により、次年度に実地調査等を行う予定のため。
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