2020 Fiscal Year Research-status Report
教育的介入を取り入れた歯学部生における学業成功のカリキュラムの開発
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19K14272
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
李 正姫 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (10747984)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯学部学生 / 学業成績 / 属性的特徴 / 進路決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では歯学部生の成績に影響する要因について、非認知的側面に注目する。具体的に、非認知的側面は以下の3要因を取りあげる。一つ目は内発的動機づけの要素である「価値方略」、二つ目は行動面から「先延ばし行動」、三つ目は感情面から「抑うつ・不安」である。 本研究の目的は、これらの3要因から歯学部生の学業成績への影響について解明することである。アンケート調査が終了し、査読付きの英文雑誌に本研究結果を掲載することができた。主な結果は、一つ目は、歯学部生の学業成績と直接的な関連を持つのは「抑うつ・不安」の感情面であることが明らかになった。二つ目は、「先延ばし行動」から「成績」への直接的な影響はなかった。 引き続き、歯学部生の成績に影響する要因について先行研究をしてきて、研究対象者の「属性的特徴」に注目するようになった。理由は、先行研究では属性要因がSocio-demographic要因として一括りの概念として扱われていたり、多様な属性要因の項目と成績との関連を報告している例が多い(e.g. da Silva et al., 2012)。属性要因と成績の潜在的な関連をまとめる一つの方法として、本研究では先行研究の知見に基づいて成績と関連する属性的特徴を4領域に分けて、どの領域の属性的特徴が成績と関連するかを解明する。属性的特徴は、具体的に、社会的な(socio-demographic)属性、学習に関係する(learning-related)属性、成績に関係する属性、入学前の属性的特徴として進路選択のプロセスの4領域である。歯学部学生の成績について、成績上位者に寄与する要因は誠実性の性格要因や化学の成績など認知的要因が報告されている。一方で、成績下位者に影響する要因については不明のままである。そのため、本研究は、成績上位群と下位群に分けて、成績に影響する潜在的変数として属性的特徴を比較する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和1年度に実施したアンケート結果について、令和2年度に英文の雑誌に投稿し、採択され、公開されている。令和3年度は、成績の変化を見るため、研究代表者の勤務校にて歯学部1年と2年生を対象にアンケート調査を実施する予定である。実施に先立って倫理審査委員会の審査を受け、承諾を得ている。調査は2021年6月から8月にかけて行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度には新たなアンケート調査を実施し、結果を分析し、投稿論文の準備を始める。令和4年度は英文雑誌に投稿する。そして、成績下位者20名程度を対象に学業成績に影響を及ぼす感情的な側面である不安やいらいらを軽減できるように心理的介入を行う。
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Causes of Carryover |
コロナパンデミックの影響により、学会発表などの出張が全然できなかったからである。次年度使用計画は、2021年度は国際学会もオンライン参加を設けているため、これに参加する予定である。
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