2023 Fiscal Year Annual Research Report
New type of organizations promoting diffusion of higher education reform: its importance in policy based on theoretical observation
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19K14274
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Research Institution | Momoyama Gakuin University of Education |
Principal Investigator |
柴 恭史 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 准教授 (80761139)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高等教育 / バッファ・ボディ / 大学間連携 / 大学コンソーシアム / 地方創生 / アクチュアリー |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には、研究の最終年度としてバッファ・ボディ型組織(大学改革を普及・促進させる連携・中間組織)が日本の社会環境の中でどのように成立しうるかという点について検討を進めた。具体的には昨年度に引き続いて、地域性の高い大学間連携団体としての「大学コンソーシアム」に注目した。「全国大学コンソーシアム協議会」加盟の大学コンソーシアム46団体に対し、アンケート調査を実施した。 このアンケート調査から、これらの大学コンソーシアムでは自治体からの影響は比較的多いものの、国の政策はあまり重視されておらず、近年の国の政策動向(地域連携プラットフォームなど)との整合性は弱いことが明らかとなった。また、産業界との連携についてはコンソーシアム側はきわめて重視しているものの、産業界が何を求めているかという点についてコンソーシアム側で把握しきれておらず、意思疎通の機会が不十分であることが示唆された。 本研究期間全体を通じての成果として、下記の点が明らかとなった。第一に、アクチュアリー養成の事例から、専門職として確立した分野においても、そこで求められる知識・スキルには時代によって変遷があり、資格制度も資格の認定を行う専門職団体を中心として改良が試みられてきた。そのような変化は資格取得を目指す受験者の属性(出身学部やキャリアパスなど)の変化も惹起し、これらの変化が大学における養成システムの改革を促す可能性がある。 第二に、地方創生の政策動向によって地方自治体における産官学連携の動きがより注目されるようになっており、とくに複数大学が連携したうえで産官と関わることも重要となっている。一方で、このような自治体や産業界からの関与は積極的なものとは言い難く、コンソーシアム側は課題意識を有しているものの、リソースの不足や産官のニーズが抽象的なレベルにとどまっているなどの要因から、暗中模索の状況が続いている。
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