2021 Fiscal Year Research-status Report
大学歴史教育におけるアクティブラーニング型授業と評価基準に関する実証的研究
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19K14276
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
千葉 美保子 甲南大学, 共通教育センター, 講師 (20792625)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歴史教育 / 歴史的思考力 / アクティブラーニング / 授業デザイン / ルーブリック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大学歴史教育におけるアクティブラーニング型授業のデザインと評価基準であるルーブリックの開発およびその検証を行うことにより、大学教育における歴史分野の実践知の蓄積および学習成果の可視化を目指すことを目的としている。 2021年度は、2020年度に引き続き本研究の3つのフェーズのうち、フェーズ(2)「授業デザインの構築、その実践と評価」を進めるため、2019年度および2020年度に実施した歴史系科目担当者を対象としたアンケート調査およびインタビュー調査の分析を進めた。 以上の2つの調査に関する分析を通じ、歴史系科目において、教養教育・専門教育それぞれに身につく資質・能力、さらに歴史的思考力の概念について、そして教養教育・専門教育それぞれの授業形態や運営上の課題などについて、分析を進めることができた。 さらに、これまでの調査を整理する目的として、国内外文献調査結果および、千葉ほか(2018)のデータに再度分析を加え、コンピテンスの再検討を試みた。具体的には、「歴史的思考力」に関する先行研究の整理、チューニング・プロジェクト、分野別参照基準に関して概観をした上で、国内の歴史系学部・学科を有する大学47校を対象に、ディブロマ・ポリシー(DP)のテキスト分析を実施した。その結果、5つのグループが見出され、DPの分析結果および先行研究を整理・分類し,再検討を加えた結果、歴史教育が育成する6つのコンピテンスを見出した。本研究の分析対象・手法は限定的であるため、今後妥当性を含め、さらなる検討を加える必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の3つのフェーズのうち、フェーズ(2)「授業デザインの構築、その実践と評価」を進めるための調査分析、先行研究調査を進めているが、コロナ禍において従来とは異なる授業形態での授業運営を行っているケースが見られ、この実態を把握した上でフェーズに移行する必要があるため、実態調査の段階に留まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
歴史系科目特有の授業形態や運営上の要素を検討するため、歴史系科目以外を担当する大学教員に対し、アンケート・インタビュー調査を実施し、比較分析を進めていく。調査結果を踏まえ、歴史系科目の授業デザインの構築、実践に向けて検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において当初想定していたフィールド調査等を実施することが困難となり、その結果予定していた旅費や人件費等の発生がなかったため、当該助成金が生じた。 使用計画として、調査活動にともなう旅費や、分析に活動する機器の購入等を進めていく。
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Research Products
(2 results)