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2021 Fiscal Year Research-status Report

地方看護学生の卒業を阻害する初年次要因の探索と看護師適性の指標化

Research Project

Project/Area Number 19K14277
Research InstitutionKansai University of Nursing and Health

Principal Investigator

高見 栄喜  関西看護医療大学, 看護学部, 助教 (30632731)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords初年次資質 / COVID-19前後の入学生 / 地方看護学生
Outline of Annual Research Achievements

本年度の研究目的は、申請研究の対象者に対して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行拡大による影響に焦点を絞り、COVID-19流行前と流行後での学生の初年次資質(個人的属性、生活習慣、精神的健康度)の要因の変化や、その特徴を検討することである。コロナ禍での新入生に対しても、感染予防のため社会的距離の確保や遠隔講義など様々な要因からの影響を受けていると推測されるからである。
申請研究の対象者の内、令和元年度(平均年齢18.5±2.5歳)と令和3年度(平均年齢18.1±0.3歳)の1年生、合計205名を対象に質問紙調査を実施し、有効回収率は99%であった。解析方法は、カイ二乗検定、Mann-Whitney検定およびt検定、またステップワイズ法による重回帰分析を使用した。
本年度の研究での主な結果は、COVID-19後の学生の方が、COVID-19前より、睡眠時間とnet使用時間が有意に長く、健康と余暇、生活環境、生活全体、経済面で有意に満足度が高く、生きがい度も有意に高かった。また、生きがい度でのCOVID-19後の学生では、生活全体、COVID-19前では、経済面と勉強に、またストレス度でのCOVID-19後では、経済面と健康、COVID-19前では、生活全体、睡眠と余暇に、それぞれ規定力があった。
本年度の研究ではCOVID-19後の新入生の方が、睡眠やnet使用時間が長く、健康・余暇・環境・経済面などの生活全体での満足度が高く、生きがい度も高かった。したがって、コロナ禍での新入生の方が、コロナ禍前の新入生よりも、よりポジティブな心理状態であることが分かった。我々の一連の研究では、入学当初の時期から徐々に学生のストレス度が高まることが分かっている。今後、対面講義などが増え、睡眠や余暇時間などの減少も予測され、生きがい度にも負の影響があるのではないかと推察される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

過去2年の補助事業期間では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大の影響で、当初の計画通り順調に、申請研究の調査や研究活動が進まなかった。しかし国内でのワクチン接種などが進み、申請研究の対象者も、対面講義での学修や通学など、マスク着用であるが、かつての日常であった学生生活に戻りつつある。今後のCOVID-19の流行感染次第ではあるが、現在、当初の計画に近い形で、申請研究の調査活動も実施できている。次年度は、補助事業期間の最終年であり、これまでの申請研究での成果をまとめ、学会発表や論文投稿に向けて準備し、活発に調査研究活動に取り組みたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

本年度の研究では、COVID-19後の新入生の方が、COVID-19前の新入生よりも、睡眠時間やnet使用時間も長く、健康・余暇・環境・経済面などの生活全体での満足度が高く、生きがい度も高かった。したがって、コロナ禍での新入生の方が、コロナ禍前の新入生よりも、よりポジティブな心理状態であることが分かった。その要因として、オンラインやハイブリッド形式での遠隔講義が実施され、コロナ禍での学生は、通学に要する時間が無くなったことが一因していると推察される。しかし、我々の一連の研究では、入学当初の時期から徐々に学生のストレス度が高まることが分かっている。今後、対面講義などが増え、睡眠や余暇時間などの減少も予測され、満足度や生きがい度などの精神的健康度の高いCOVID-19後の新入生は、先行研究と同様に、精神的健康に負の影響があるのかどうかなど、さらなる研究蓄積が必要と考える。
次年度の研究として、申請研究対象者でのCOVID-19流行拡大の影響に対する上記の検討結果を十分に考慮しつつ、地方の看護学生での進級や卒業を阻害および促進する要因とその構造について、初年次での資質(個人的属性と生活習慣、精神的健康度)との関連からさらに解明し、早期からの健康教育や学生支援等を通じて、入学生全員が標準年次で看護師資格を取得し、地方の看護師不足解消に役立つ基礎資料につながる研究の蓄積に努めたい。また地方の看護系大学を目指す受験生に有益な看護師適性についての指標を抽出し、適切な入学者選抜にも役立つ研究につなげたいと考える。
また今後の研究課題として、COVID-19前後での地方の看護学生での進級や卒業を阻害および促進する要因とその構造について、初年次での資質(個人的属性と生活習慣、精神的健康度)との関連からさらに解明したいと考えている。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、所属学会での総会が、オンライン方式やハイブリッド方式での実施となり、学会総会での発表もオンラインやオンデマンドで実施され、当初予定していた総会参加に伴う費用などが減少したため、次年度使用額が生じた。
次年度は、COVID-19の感染状況次第ではあるが、所属学会総会への参加や発表のための費用、また最終年度として、これまでの研究成果の取りまとめ、その発表や論文作成、論文投稿などに関する費用として使用したいと考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] COVID-19流行前後での地方看護学生の初年次要因の検討2021

    • Author(s)
      高見栄喜
    • Organizer
      第80回日本公衆衛生学会総会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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