2019 Fiscal Year Research-status Report
発達障害のある児童の在籍する小学校通常学級でのインクルーシブ学級風土尺度の作成
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19K14284
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
森 浩平 三重大学, 教育学部, 講師 (00804139)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インクルーシブ教育 / 特別支援教育 / 学級風土 / 学級経営 / 教育支援方法 / コミュニケーション / 人間関係の形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学校において困難を示す児童生徒を取り出して支援するだけでなく、学級全体を視野に入れた包括的な支援が進められるよう、当該児童とその周囲の児童との関係性である学級風土の測定が可能となる尺度を開発することを目的としている。2019年度の計画として、発達障害のある児童、保護者、教員、学校心理士を対象に、共生社会の実現に向けた小学校通常学級の学級風土として、望ましいと考える当該児童と周囲の児童との関係性についてインタビュー調査や質問紙調査を行うことを予定していた。 計画のもと、発達障害のある児童を担当する通常学校の教員及び特別支援学校の教員を対象に、当該児童と周囲の児童との関係性に関する質的インタビュー調査を行った。得られたデータについて分析を行い、当該児童と、教員や他児とのコミュニケーションの様子や課題等についてまとめ、研究論文作成を行っている状況である。また、教員及び学校臨床心理士を対象とした量的質問紙調査も2019年度までに行っており、共生社会の実現に向けた小学校通常学級の学級風土を測定する尺度の作成につながるデータが得られている。データを解析している状況であり、尺度が作成されることにより、教員の支援の状況が、学級風土に及ぼす影響を検討することが可能となる。学校での教員の支援の在り方について今後検討が行えるよう、児童の関係性についての質的データの分析、及び望ましい学級風土について量的データの解析を行っている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度に計画していた通り、発達障害のある児童を担当する通常学校の教員及び特別支援学校の教員を対象とした、当該児童と周囲の児童との関係性に関する質的インタビュー調査を行うことができている。また、教員及び学校臨床心理士を対象とした量的質問紙調査も2019年度までに行っており、共生社会の実現に向けた小学校通常学級の学級風土を測定する尺度の作成につながるデータが得られている。現在両データとも分析及び研究論文の作成中であり、当初の予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の予定として、昨年度に分析を行った内容について、学術誌や学会での発表を行う。さらに、作成したインクルーシブな学級風土を測定する尺度に関して、小学校通常学級を担当する教員を対象に、量的質問紙調査を実施する。インクルーシブな学級尺度尺度及び、通常学級での支援状況や関連が予想される尺度を調査項目とし、それらの関連性について統計分析を行うことで、尺度の信頼性及び妥当性の検証を行う。それらについて、学術誌や学会での発表を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
受領累計額をほぼ満額の予定通り執行している状況である。次年度の予定額を含め、当該助成金を次年度内に全て使用する予定である。主な使用用途としては、データ解析にかかるソフトウェアや機材費、調査旅費や発表費用の負担を予定している。
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