2020 Fiscal Year Research-status Report
インターネットを用いた小児がん関連課題解決のための成功事例報告システムの開発
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19K14298
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村上 理絵 (横内理絵) 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 助教 (30808811)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小児がん / 院内学級 / 復学 / 保護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では小児がん患者や小児がん経験者およびその保護者が、入院治療を経て地域で学校生活や日常生活を送るために必要な情報とはどのような内容なのか、有益な情報にアクセスするためにはどのような環境を整えればよいのかを検討し、「就学や就職を見据えた小児がん特有の課題に対する情報とはどのような内容か」「小児がん患者が抱える個別性の高い課題の解決に資する情報とはどのような内容か」「有益な情報に容易にアクセスするためにはどのような環境が必要か」の示唆を得ることを目的とする。令和2年度は、以下のような知見が得られた。 今年度も昨年度に引き続き、学校や学習に着目して、院内学級を担当する教員を対象にインタビューを行い、困難な課題と感じることについて尋ねた。また、小児がんの子どもをもつ保護者3名にもインタビューを行い、子どもが病気になって困ったことや考えたこと、得たいと思った情報などについて尋ねた。教員へのインタビューでは、子どもが亡くなることへの恐怖、校内態勢づくりの難しさ、保護者への対応の難しさ、先を見通して学習を進めることが難しい状況に対する無力さなどが語られた。保護者へのインタビューでは、家族、友人、担任など周囲の人との関係、退院時ケース会議、退院後の生活、復学後の支援などについて回答を求めた。その結果、保護者は、入院により友人と離れることで忘れられてしまうのではないかという不安、保護者の付添いなどによるきょうだいへのしわ寄せに対する心配、退院後の体調面への不安、幼稚園や学校などへの付添いの負担に対する不安、周囲の大人が病名を知ったことにより受けた影響、経済的不安、就学に関するシステム、入院等によって学習機会が限られることや経験の幅が狭まることへの不安、情報を得る機会がないことへの不満などが語られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間途中で育児休業を取得して研究を一時中断したために、当初の計画より研究の進捗状況は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
育児休業取得により研究を一時中断していたが、補助者の協力を得ながら、引き続き文献の整理や、調査研究実施に向けてアンケート用紙の作成や発送の準備等を進める。
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Causes of Carryover |
研究実施上必要に応じて研究費を執行したため、当該年度の所要額と実支出額に差が生じたが、研究計画に変更はなく前年度の研究費も含め予定通り計画を進める。
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Research Products
(1 results)