2021 Fiscal Year Annual Research Report
小児がんに着目した「がん教育」支援プログラム構築のための基礎的研究
| Project/Area Number |
19K14304
|
|---|
| Research Institution | Shujitsu University |
|---|
Principal Investigator |
森口 清美 就実大学, 教育学部, 准教授 (80279356)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 小児がん / がん教育 / 養護教諭 / 道徳教育 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
「がん教育」において、従来の大人のがんに加え子どものがんにも着目した教育プログラムを構築するための基礎的研究として、2つの実践授業を実施し、評価を行った。
1つ目は、小児がんに着目した「がん教育」支援ツールとして作成した絵本のがん教育への効果と活用方法を検討した。復学後の学校生活を描いた絵本を活用した授業を小学5年生を対象に実施し、がんの子どもを主人公とした絵本ががん教育に活用できるかについて検討を行った。児童は主人公の立場として、入院や病気になった時の驚き・寂しさ・悲しさ・不安、早く退院したい気持ち等を捉えていた。また退院後も、困った時に助ける、気になることは言わずそっと見守る、からかわない等、主人公にどのように接したいかという行動も考えられていた。これらから、児童は主人公の気持ちを想像できていることがわかった。「しんどいのに無理をしてしまう」気持ちと「他の子との違いを気にしてしまう」気持ちを児童は想像しながら自分に置き換えて理解しようとしていた。主人公の退院後の状況や気持ちを共感的に理解しており、一定の効果があることが明らかになった。がん教育内容の一つである「がん患者への理解と共生」の目標は、概ね達成できたと考えられる。
2つ目は学校における「がん教育」において、主体的で対話的な深い学びを得る教育プログラムを構築するために、養護教諭養成課程の学生を対象に「自己学習後に教え合い、学んだことを伝える動画をグループで作成する」授業を実施し、評価を行った。
協同学習によって、生活習慣を見直すこと、がん検診の啓蒙、早期発見早期治療の大切さなど、がんに対する正しい知識を共有することが出来ていた。
|
