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2020 Fiscal Year Research-status Report

視覚障害者の芸術鑑賞における触覚を介した形態認識と情緒に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K14310
Research InstitutionTsukuba University of Technology

Principal Investigator

守屋 誠太郎  筑波技術大学, 産業技術学部, 講師 (90809310)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords視覚障害者 / 立体造形 / 芸術鑑賞
Outline of Annual Research Achievements

2020年度は、新型コロナウイルスの影響があり、予定していた鑑賞実験調査を実施することができなかったため、段階的な研究成果をまとめた研究発表を行い、鑑賞実験調査に向けて、観賞用モデルの検討と制作を行い、調査協力機関と実施についての調整を行なった。
研究発表では、2020年12月感覚に開催された代行シンポジウムにおいて、2019年度に東京ヘレン・ケラー学院利用者20名に対して実施したアンケート調査の結果を分析・考察した内容を発表した。筆記回答では、視覚障害者の美術館利用頻度や触察鑑賞体験の有無、音声ガイドや点訳資料などの情報保証に関することなどを調査した。同時に、作品サンプルに触れてヒヤリングを行う鑑賞アンケートも実施し、サイズや素材による形状理解や肯定感についての評価を調べた。それらから、視覚障害者の美術館に対するニーズや触察鑑賞に適したサイズや素材についてなど、判明したことと検証を要する課題を考察して発表した。
また、本研究に関連した調査研究を行い、その結果を所属機関の紀要へ投稿した。それは、盲学校をはじめとする学校教育施設での3Dプリンターの導入シミュレーションを行うというものである。具体的には、10万円以下の予算に抑えてコスト的に導入しやすい3Dプリンターで美術鑑賞用の立体教材を試作し、モデルサイズごとの製造コストや形状理解に関する評価および全体的なランニングコストなどを明らかとした。当該調査研究の着想には、本研究のモデル開発過程における3Dプリンターの試作が関連したことと、コロナの影響によって本研究の期間に空白ができてしまうことを考え、関連する研究として取り組んだものである。
また、本研究と関連する活動として、2020年度に開催予定であった国立民族学博物館のユニバーサルミュージアム展があった。2021年9月に延期となり、自身も触察用彫刻作品を出品する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

2020年度は、新型コロナウイルスの影響があり、予定していた鑑賞実験調査を実施することができなかった。調査において研究対象者に対して人が触れた物を触わる動作を要することから、コロナの感染状況を鑑みて調査を延期としている。調査協力機関との実施時期の調整中であり、現在も具体的な期日や調査規模が決まらない状況である。そのため、研究事業としての期間は2021年度までだが、現段階で計画より1年遅れている状況であるため、研究事業期間の延長は必至であると考えている。
調査協力機関との調整において調査規模が確定できていない状況であり、鑑賞用作品のサイズや点数などが不確定な部分があるため予算についても作品の購入や依頼などに関する部分で未消化な部分が多い。そのため、作品そのものの購入については現段階でリスクがあるため、規模に応じて鑑賞用作品を作成できるように機材(3Dプリンターや溶接機)の用意を進めながら、準備に努めている。現段階では実施時間を1時間という最小規模程度を想定した準備を行い、状況に応じてプラスアルファなオプションアイデアを提案するといった準備方法へシフトしつつある。
そしてやはり、前述したように段階的な研究発表や関連研究を進めているが、形状理解に関する調査の基軸となるのは本研究であることから、鑑賞実験調査の実施に向けて調査協力機関との調整を継続しながら、本研究事業を遂行して行きたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題の推進のために、鑑賞実験調査の実施に向けて調査協力機関との調整および、コロナの状況に応じた実施方法の準備を行う。研究内容的に、鑑賞実験調査は必要不可欠であると考えているが、研究事業期間内に鑑賞実験調査が実施できないという最悪の事態も想定されるため、実施できない場合の研究の進め方も検討しなければならない。例えば、より小規模なアンケート調査に変更することや接触の伴わないイメージ調査などの検討である。
何れにしても、最善の解決の検討や策事業期間以降の研究継続に向けて、学会や勉強会などにおいて関連する研究者との意見を交わし、研究成果の構築を目指して行きたいと考えている。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの影響により、実験調査が1年以上延期された状況となり、研究計画に大幅な遅れが出たことによる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 触覚を用いた芸術鑑賞における形状理解と肯定感に関する調査研究2020

    • Author(s)
      守屋誠太郎、飯塚潤一
    • Journal Title

      感覚代行シンポジウム

      Volume: 46 Pages: 21,24

    • Open Access
  • [Presentation] 触覚を用いた芸術鑑賞における形状理解と肯定感に関する調査研究2020

    • Author(s)
      守屋誠太郎、飯塚潤一
    • Organizer
      感覚代行研究会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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