2020 Fiscal Year Research-status Report
Proposal and Practice of Self-Learning Model for EFL Learners to Enhance Their Speaking Skills
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19K14314
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
仲谷 佳恵 東京工業大学, 教育革新センター, 特任講師 (70771864)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教授学習支援システム / 教育工学 / 第二言語習得 / スピーキング / 方略的能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初,本研究は一部を対面で行うことを想定し,学習達成度判断用タスクと学習用タスクを設計・開発していたが,新型コロナウイルスの流行により,その学習法を用いた実験及び効果の検証が難しい状況となった.したがって,本年度はまず語彙の運用についての学習達成度判断用タスクについて焦点を当て,全てオンライン上で実施することを想定して改良等を行った.具体的には,以下の内容を遂行した. (1)語彙の運用能力判断タスクを対面活動なしでも実施できる形に設計し直した.(2)(1)で改良したタスクの実施可能性を検証するために,小規模の予備実験をオンラインで実施した.(3)(2)の予備実験で,オンライン上での実行可能性を確認した.ただし,学習達成度の判断方法については改良が必要だったため,タスクの内容の改良を行った. (4)改良したタスクをウェブブラウザで実施できるよう,ウェブアプリケーションを開発した.(5)実験を本格的にオンラインで実施するために,実験に協力頂ける学校との調整を開始した.具体的な内容は以下の通りとなった. 【タスクの概要】スピーキングタスクは,「イラストの内容を英語で説明する」タスクとし,「学習者が使用すると想定される英単語や表現について,『使用せずにそのイラストを英語で説明する』ことを求めることで方略の使用の可否を観察する」内容にした. 【ウェブアプリケーション上でのタスクの実行手順】 1.学習者がスタートボタンを押すとタスク用のイラストの表示が開始される.2.1分間が経過すると,イラスト表示が終了し,録音開始ボタンが表示される.3.学習者が録音開始ボタンを押すと,録音が開始される.また,同時に録音終了ボタンが表示さえる.4.学習者がスピーキングを終了させ録音終了ボタンを押すか,録音開始から3分間が経過すると,録音が終了となる.5.録音ファイルがデータベースに保存される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先にも述べたとおり,新型コロナウイルスの流行に伴い対面での実験・実践が困難な状況になったため,一部対面での実施を想定して設計していた自学自習統合デザインの内容について,すべての活動をオンラインで行えるよう設計から見直しを実施した. 研究進捗としては当初想定していた教育現場での継続的・長期的実験まで到達することが叶わなかったため,やや遅れているという判断となった. ただし,タスク設計を見直す中で,語彙の運用能力の評定方法や評定できる範囲について新しい知見を得ることが出来た.具体的には,語彙の活用能力の中でも,「置き換え」「説明の追加」「メッセージの再構成」には発達段階が存在すること,これらの能力を有しているかどうかの判定に有効なタスク設計の示唆を得ることが出来た.その知見をタスク実行用ウェブアプリケーションの開発と発達段階のより詳細な分析に活かしていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究遂行によって,語彙の活用能力を判断するためのタスクがオンラインで実施可能となった.さらに,語彙の活用能力の中でも,「置き換え」「説明の追加」「メッセージの再構成」には発達段階が存在することが明らかとなった. 後も対面での実験・実践の実施が困難な状況が続くと想定されることから,まずは,今年度開発したウェブアプリケーションを用いて実際の教育現場でオンライン上での実験を行い,語彙の活用能力の詳細な発達段階を明らかにし,他の英語能力と関連性がどの程度あるのかを分析し,学習用タスクの改良に活かしていく予定である. さらに,他のタスクについても,当初一部を対面で実施することを想定していたが,全てオンライン上で実施できるよう,設計の見直しを行い,オンライン上で実施するためのウェブアプリケーションの開発を行い,実施可能性の検証を実施する.
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Causes of Carryover |
研究計画に大幅な変更が生じたことから大規模実験が実施できなかったこと,また国内学会や国際会議についても全てオンライン上での実施となったため,旅費が発生しなかったこと,研究計画変更に伴いタスクをオンライン上で実施できるようにするための設計見直しにあたっての資料購入や,ウェブアプリケーション開発費用が発生したことなどが理由となり,使用予定や金額の変更が生じた. 今後も対面での実験・実践の実施が困難な状況が続くと想定されることから,引き続き実験・実践をオンライン上で実施するためのタスク設計の見直しや,タスクをオンライン上で実行可能にするためのアプリケーション開発費用等に使用したい.
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