2021 Fiscal Year Research-status Report
高等教育における便益遅延性と学習経験を考慮した講義品質改善のための評価手法の開発
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19K14315
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川本 弥希 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 研究員 (80832427)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学習経験 / 便益遅延 / 高等教育 / 看護教育 / 教育実習 / コミュニケーション / エンゲージメント |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究計画は「現場実習を行った学生」に対してアンケート調査を実施し、収集した定量・定性データから学習経験と便益遅延の関係性を明らかにすることが目標であった。 1つ目の成果として、教育実習を受講した学生約18名から学習経験の獲得に関する意見を収集して、定量分析及びテキスト分析を行い、遅延便益の享受に関係する学習経験要因について分析した。その結果、現場実習の経験が学生の心理に影響を与える学習経験要因を複数抽出することができた。この成果について、2021年10月、2022年3月の日本教育工学会の秋季、春季全国大会にて発表を行った。また、これら2つの発表を論文にまとめて教育工学系の論文誌へ投稿中である。 その他として、ほとんどの大学の授業が全面的にオンラインになったため、オンライン講義が学習経験レベルに与える影響を調査した。特に学習経験要因の中でも、プレゼンスの要因に着目し、学生がオンライン授業で自分の居場所を感じられる授業設計について分析した。この成果については、2021年11月にAECTにてポスター発表を行い、その調査の結果を論文にまとめ獨協大学の情報学研究論文誌に研究速報として2022年2月に掲載された。 また、本研究において日本語で採択された教育工学会の論文を英文化し、ITELに投稿した結果、Translationとして採択されている(印刷中)。 今後の研究の方針として、コロナ禍において教育形態が大きく変化し、データ収集が想定通りに進まなかったが、現在取得したデータを活用して学習経験と便益遅延に関しての議論をまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の調査目標であった大学生の講義に対する意見を予定通りには収集することができなかった。その理由として、2021年度においても、大学ではオンライン授業が多く、研究対象としていた看護実習や教育実習の調査フィールドが感染リスクの問題から縮小化されたためである。 看護学実習に関しては実習生受け入れについて、いまだに厳しい状況が続いており、継続してデータを取得することは困難となった。しかし、看護学実習に関してはある程度のデータが収集できており分析を進められると考えている。 教育実習に関するデータは数が少ないながらも収集することができた。そのため、国内、国外の学会において関連する発表を行うことができた。 以上より、2020年度、2021年度の計画が当初の予定通りには行かなかったため、研究期間の1年延長を申請し、承認された。残りの期間で研究をできる限り進め、外部で報告する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の4月以降はコロナウィルスの影響で当初予定していた通りにデータを取得することができなかったが、研究期間の1年延期が承認された。全くデータが取れなかったわけではないので、現時点で取得したデータを用いて、外部での研究成果報告に力を入れたい。 例えば、すでに取得した看護学実習のインタビューデータの分析をさらに進めて、便益遅延に関する概念の抽出を行い、学会や論文誌での発表を目指したい。また、教育実習に関しては少ない数のデータで分析を行ったが、論文として掲載させることを本年度の目標としている。研究も終盤となってきたため、今後の課題についても整理したいと考えている。
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Causes of Carryover |
現時点でITELに論文が採択されており、2022年度に出版される予定なのでその分が拠出される予定である。また、「人件費・謝金」については、アンケートやインタビュー調査において、謝金ではなくアマゾンギフトカードにより協力者に支払った。そのため、「物品費・その他」の項目にて拠出している。今後は「人件費・謝金」の項目で拠出する予定はないので、他の項目で拠出するつもりである。例えば、日本語で採択された論文を翻訳サービスを使って英文化し、投稿するなどを代替として考えている。 また、データ収集や分析の遅れ、コロナ禍において対面で発表する機会が大きく減ったために、旅費の拠出がほとんどなかった。今後は研究成果の外部での発表を積極的に行う予定である。 また、もし必要であれば、古くなったPCやソフトウェアのバージョンアップを考えている。
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Research Products
(4 results)