2022 Fiscal Year Research-status Report
高等教育における便益遅延性と学習経験を考慮した講義品質改善のための評価手法の開発
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19K14315
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川本 弥希 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 研究員 (80832427)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 授業品質 / 学習経験 / 便益遅延性 / 看護教育 / 教育実習 / エンゲージメント / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究計画は「現場実習を行った学生」から収集した定量・定性データから学習経験と便益遅延の関係性を明らかにすることが目標であった。これは前年度と目標は同一でその遅延分を解消することが2022年度の目的であった。 まず、本研究において日本語で採択された教育工学会の論文「高等教育における学生の学習経験レベルの向上,低下,停滞に影響を与える要因の相違」を英文化し、ITELに投稿した結果、Translationとして採択され、7月に出版された。 また、コロナ禍の代替研究として、オンライン講義における学習経験レベルと学習成績の関係性について調査した。その結果、学習経験レベルと学習成績には関連があることが明らかになった。これは学習経験レベルと学習成績の関係を明らかにした初めての成果であった。その調査結果を論文にまとめ、獨協大学の情報学研究論文誌に研究速報として採択され、2023年3月に掲載された。 また、教育実習を受講した学生約18名から学習経験の獲得に関する意見を収集して、定量分析及びテキスト分析を行い、遅延便益の享受に関係する学習経験要因について分析した。この成果については、2023年1月に The IAFOR International Conference on Education in Hawaii (IICE)にて口頭発表を行い、その結果を論文にまとめて教育工学系の論文誌へ投稿中である。 今後の研究の方針として、すでに取得したデータを活用して学習経験と便益遅延に関しての分析結果をさらにまとめて発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍において、2021年度の調査目標であった大学生の講義に対する意見を予定通りに収集することができなかった。大学ではオンライン授業が多く、研究対象としていた看護実習や教育実習の調査フィールドが感染リスクの問題から縮小化されたためである。 2022年度は、教育実習に関するデータは数が少ないながらも収集することができた。また、オンライン授業に研究対象を一部変更したため、国内、国外の学会において関連する発表を行うことができた。 データ取得が思うように実施できなかったなどの影響で、全体として2022年度の計画が当初の予定通りには行かなかったため、研究期間の1年延長を申請し、承認された。残りの期間で研究をできる限り進め、外部で報告する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の4月以降はコロナウィルスの影響で当初予定していた通りにデータを取得することができなかったが、研究期間の延期が承認された。全くデータが取れなかったわけではないので、現時点で取得したデータを用いて、外部での研究成果報告に力を入れたい。 例えば、すでに取得した看護学実習のインタビューデータの分析をさらに進めて、便益遅延に関する概念の抽出を行い、学会や論文誌での発表を目指したい。また、教育実習に関しては少ない数のデータで分析を行ったが、論文として掲載させることを本年度の目標としている。研究も終盤となってきたため、今後の課題についても整理したいと考えている。
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Causes of Carryover |
現在投稿している論文が採択されれば、「物品」として本年度に拠出する予定である。「人件費・謝金」について、今後は「人件費・謝金」の項目で拠出する予定はないので、他の項目で拠出するつもりである。例えば、日本語で採択された論文を翻訳サービスを使って英文化し、投稿するなどを考えている。 また、対面で発表する機会が大きく減ったために「旅費」の拠出がほとんどなかったが、社会情勢が戻ってきたために研究成果の外部での発表を積極的に行う予定である。
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Research Products
(3 results)