2022 Fiscal Year Research-status Report
潜在的・顕在的要求に有機的呼応する組織連携型の対話システムの開発・導入
Project/Area Number |
19K14317
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
関 陽介 徳島大学, 高等教育研究センター, 准教授 (10623704)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 対話システム / ユーモア生成 / システム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
問い合わせ対応の自動化や業務負担の軽減等を目的として,多様な分野に対話システムが導入されている.対話システムを利用することで,ユーザは時間や場所を問わず対話的な情報収集が可能になる.ただし,素っ気ない応答や無機質なインターフェース等によりシステムへの親近感が低くなる場合,利用機会の減少や対話持続の困難さが懸念される. そこで,令和4年度はユーザと対話システム間の親和な関係を成立させるために,①ノリツッコミ文と②例えツッコミ文を対象としたユーモア表現の生成手法を提案した.①においては,過去に提案した疑似的な聞き間違い文の生成手法を発展させて,言語モデルを用いてユーモア表現に対するノリツッコミ文を生成する手法を提案した.②においては,TwitterのTweet・Reply 文に対して構文解析や依存構造解析,関連度の算出等により学習資源を収集して,発話文に対するツッコミ対象の推論機能を開発した.また,インターネット上で公開されている例文を基に言語モデルを用いて例えツッコミ文を拡充して,ツッコミ対象に基づく例えツッコミ文の生成機能を開発した.そして,①や②に基づくシステムの試作を開発した. これら提案手法に基づく機能を対話システムに実装することで,ユーモアを喚起できシステムへの親しみを高める効果が期待できる.特に,雑談対話システムに本機能を実装することで,高齢者や入院患者等,会話希望者の話し相手を親和的に務めることが可能になる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度はユーモアを喚起してシステムへの親しみを高めるために,対話を通したユーモア生成に関する研究を行った.成果報告として,学術雑誌に1件採録され,国際会議では2件の報告を行った.そのため,進捗状況は「おおむね順調に進展している。」と判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は,継続して対話を通したユーモア表現の生成に関する研究を進める.令和4年度はユーモア表現の生成手法の設計を行ったが,令和5年度は提案した手法のさらなる発展や,実用化を目指したシステム開発を計画している.また,得られた研究成果は積極的に学術雑誌への投稿や国際会議等での発表を行う.
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Causes of Carryover |
令和4年度に行った研究を論文や国際会議で成果報告するために,令和5年度に掲載費や参加費等が必要になる.令和5年度は論文3本の投稿と国際会議1件の発表を予定しており,これらに必要な費用を次年度使用額で支払う計画である.
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