2020 Fiscal Year Research-status Report
教職志望学生の正課内外における学びの連環を促す学習環境デザインの構築と検証
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19K14318
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
野中 陽一朗 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (30735270)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教職志望学生の学び / 学習環境 / 正課内外の学び / 時間管理 / 教職キャリア形成 / ラーニング・ブリッジング / 正課外活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の全体的な目的は,教員養成段階での正課内外における学びの連環を促す学習環境デザインを教職志望学生のタイプに基づき構築及び検証することである。2020年度は,本プロジェクトの2年目にあたる。その達成目標は,「教職志望学生の学習タイプに応じた正課内外における学びの連環を促す学習環境の検討」を実施することであった。 本年度は,教職志望学生の学習タイプを正課内外の学びを架橋するラーニング・ブリッジングと時間管理といった要因から特徴を捉え,各学習タイプに応じた学習支援環境を見出す実証研究を実施した。その結果,ラーニング・ブリッジング高群と低群とで授業外学習時間や自主的な学習時間への時間管理能力の及ぼす影響過程が異なること,ラーニング・ブリッジングを「授業間の学習」,「異時点間の学習」,「授業内外の学習」の3観点から捉えることにより教職志望学生の5つの学習タイプの特徴を見出し,各学習タイプで時間管理に差があることを示した。そのため,授業内外の学びを架橋出来る学習課題の必要性,時間管理を育成する前段に各ラーニング・ブリッジングの観点から大学生の実態を捉え,タイプに応じて学びの文脈間を架橋し統合できる学習環境構築の仕組みを正課内学習の中で検討する必要性が示された。 また,教職志望学生の正課内学習の中でも重要な位置づけを示す教育実習育に焦点を置き,実習期間の身体活動量を計測し,身体活動負荷上位日の教育実習日誌に基づく対象者の学びや困難さが本人によりどのように構造化されるのかをPAC分析により探索的に検証した。その結果,教師として児童の反応や個々の状況を踏まえ,授業を実施展開する上で必要となる方略を学ぶとともに難しさを感じていることが示された。 上記の調査結果を踏まえ,教職志望学生の正課内での学びを反映させ学びの連環を促す学習環境デザインを構築について事例的な実践検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて予定していた訪問調査および大規模実態調査,インタビュー等の一部を実施できなかった。特に正課外活動は従前と異なる可能性があり,捉え方や実証研究遂行に向けて理論的考察を深める必要があった。また,訪問調査に関しても大規模調査の中で代替できる方策を検討する必要があった。無論,こうした点に鑑み研究を展開することは,理論的・実証的検討をより充実したものに出来ると考えられる。 以上のことから,本研究の全体的な目的の達成に向けて「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大の状況を見ながら柔軟に対応する。実証研究の一部については個別事例的な検証での展開を進め,適宜理論的な考察を深め,補完する。また,研究成果を学会発表や学術論文等を通じて広く社会に発信していく予定である。
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Causes of Carryover |
教職志望学生の学習タイプ,正課内外の教育活動,学習支援内容に関する質問項目の精緻化と再構成をする必要が生じたため,調査実施及びデータ入力などの時期を次年度に変更した。また,年度末に予定していた訪問調査等を新型コロナ感染拡大防止に伴い延期とした。こうしたことから,本年度に計画していた質問紙調査の時期や訪問調査を次年度に変更した。そのため,調査の郵送費や印刷代,データ入力に対する謝礼,旅費など,当初予定していた経費の執行が次年度に変更された。
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Research Products
(8 results)