2021 Fiscal Year Research-status Report
番組構成パターンを活用した初等中等教育向けの映像制作指導教材の開発
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19K14326
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
西尾 典洋 目白大学, メディア学部, 准教授 (30612072)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 映像制作 / 番組構成パターン / メディアリテラシー / 学習教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、映像作品における「企画の立案」、「内容構成を考える」プロセスにおいて、その際に必要となる知識やノウハウの分析、パターン化をおこなった。さらにこれらの知見を用いて、映像作品の内容構成を考える際に用いる指導案と教材開発をおこなった。具体的には以下の通りである。 1.過去におこなった映像制作演習において受講生である映像制作の初学者が作った作品の内容構成の改善点やそれに対して指導者がおこなった指導内容を分析した。 2.1の分析から、映像制作の初学者が内容構成を考える際につまずきやすい点や支援すべき点について検討した。また、既存のテレビ番組などの内容構成、脚本などに用いられる三幕構成を参考にし、前述した知見をパターン化し、内容構成を考える際の基本ルールとしてまとめた。 3.2で作成した基本ルールを用いて、初学者が映像作品の内容構成を考えるプロセスを支援するカリキュラム、教材を開発した。具体的には、映像作品の制作のプロセスである「リサーチ」、「企画」、「撮影」、「編集」の各段階における作品の内容構成に関わる点について、基本ルールを用いながら各段階のポイントを学び、作品制作を進めていく指導案と教材を開発した。 4.当初計画では初等中等学校での実証実験を予定していたが、新型コロナウィルスの影響もあり、2021年度に実施をすることができなかった。そのため実証実験は2022年度におこなうこととし、今年度は開発した指導案と教材を大学の映像制作演習において試行的に利用し、課題や修正点を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響で、初等中等学校での評価実験ができなかったこと、そのため開発した指導案と教材の課題の洗い出しができなかったため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに収集してきた映像制作に関する知識やノウハウを改めて整理・体系化し、初等中等学校で利用可能な指導案、教材の改善をおこなう。また、映像制作に関する実習を取り入れた教育事例を収集することで、番組構成パターンの拡充をおこなう。さらに、学校現場での実証実験をおこない、指導案と教材の改善点を明らかにする。具体的には以下の通りである。 1.これまでに収集した映像制作に関する知識やノウハウについて、映像制作を初めて学習する児童、生徒がわかりやすく理解できるように整理・体系化し、映像制作における基本ルールとして整理する。その際、小・中・高校の教育段階に合わせて基本ルールを提供できるようにする。 2.指導案・教材内で提供する番組構成パターンについても拡充をする。近年、映像制作に関する実習を取り入れる学校が増えてきている。それらの学校がおこなっている実習において制作されている映像作品の取材対象や内容について調査をおこない、他校でも取り入れやすい作品については、番組構成パターンとしてまとめ、指導案や教材として提供できるようにする。 3.2021年度に実施できなかった学校での実証実験を実施する予定である。2022年度夏頃、冬頃を目処に2校程度に協力していただき検討した指導案を実施し、教材の評価をおこなう。評価においてあきらかになる課題について、改善点を検討し、指導案、教材の改良を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由については、新型コロナウィルス感染症により、学会等の調査ができなかったためである。また、2021年度は学校現場での実証実験ができなかった。このための旅費については2022年度に使用予定である。
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Research Products
(1 results)