2020 Fiscal Year Research-status Report
「問題解決型実習(PrjBL)による手術計画立案実習」による教育効果の実証
Project/Area Number |
19K14349
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀 周太郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20528559)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本外科学会学術集会 / 日本外科学会雑誌 / アンケート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、昨年に引き続き課題にて提案した研究方略(「問題解決型実習(PrjBL)による手術計画立案実習」)を教育の現場にて実施すると共に、受講した学生に対して実施したアンケートを用いて、教育効果を検証するためのデータを蓄積している。 なお、昨今の新型コロナウィルス蔓延と、これに伴う医学部生の登校制限の影響をうけて、2020年4月以後は従来の実症例を用いて臨床現場で情報収集を行う方式から、模擬症例を用いてオンライン上で情報収集を含めた全ての実習が行えるよう教育方略の改訂を行った。 本教育方略の教育効果を暫定的に検討するため、2018年4月から2020年7月にかけて本教育方略を受講した計45グループ、278名を対象としてアンケートを実施した(このうち2020年4月以後に実習を行った8グループ、45名はオンライン形式にて実習を実施している。) 回答率は96%で、実習期間に受講した全11個の講義・手技実習のうち、手術計画PBLを有意義だった上位3つに挙げた学生は全回答者のうち53%であった。 つぎに手術計画PBLによる意識の変容を前向きに評価するため、実習開始時と終了時に、医学生が外科実習で重視する項目(術前・術中・術後・コミュニケーションの4分野、計16項目)についてアンケートを実施した。実習修了時には病変の解剖、手術適応やリスク評価等の手術計画PBLで検討した項目に対する重要性の認識が増す一方で、術式や手技など、手術内容に対する重要性の認識が減少した。 本検討結果は第120回日本外科学会学術集会(2020年8月 完全オンライン開催)にて発表し、同じ内容を日本外科学会雑誌にも投稿し、掲載された(日外会誌. 121(6): 656-658, 2020)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本教育方略の教育効果を実証するためには、医学生を対象として手教育方略による介入試験を行い、その効果をアンケート形式のみならず理解度評価等を用いて前向きに検討する必要がある。 本来であれば2020年度中に上記教育介入試験をデザインし、実施に向けた準備を行う予定であったが、新型コロナウィルスの蔓延に伴い、医学生の教育体制が大きく変化したこと、そのために教育方略そのものの修正・変更(前述)に時間を要した結果、教育効果の実証試験の検討に至るプロセスに遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は新型コロナウィルス蔓延の影響を鑑みてオンライン形式による本教育方略を継続し、従来に引き続き医学生を対象としたアンケート結果を前向きに収集する。 あわせて上記教育方略による医学生を対象とした介入試験を早期に計画し、実施に移す予定である。
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Causes of Carryover |
本研究において、追加でタブレット入力端末を入力する必要性を生じたが、研究体制の調整を行い、研究スケジュールに変更を生じたために本年度中の追加購入をすることができなかったため。2021年度に購入を計画している。
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[Journal Article] 特別企画(1)「夢を実現するためのキャリアパス・教育システム」 4.学生に教える「術前評価」―問題解決型実習(Project Based Learning;PrjBL)としての手術計画立案実習―2020
Author(s)
堀 周太郎 , 中野 容 , 松井 信平 , 田中 真之 , 松田 愉 , 永山 愛子 , 清島 亮 , 関 朋子 , 茂田 浩平 , 入野 誠之 , 松原 健太郎 , 高橋 麻衣子 , 八木 洋 , 阿部 雄太 , 林田 哲 , 岡林 剛史 , 北郷 実 , 川久保 博文 , 尾原 秀明 , 和田 則仁 , 北川 雄光
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Journal Title
日本外科学会雑誌
Volume: 121
Pages: 656-658
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