2020 Fiscal Year Research-status Report
セルフコントロールの個人差はどのように好ましい行動習慣を形成するのか
Project/Area Number |
19K14361
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
後藤 崇志 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (70758424)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | セルフコントロール / 規範 / 社会的影響 / 個人差 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、1) セルフコントロールを支える個人差の測定指標についての調査研究、2) セルフコントロールを要すると想定される意思決定場面における社会的影響の実験的検討、3) 新型コロナウイルス感染拡大状況下における遠隔授業の受講状況とセルフコントロールの個人差の関連に関する調査研究、を行った。 1) セルフコントロールを支える個人差の測定指標についての調査研究については、セルフコントロールの個人差に関わる心理概念である自由意志信念を測定する2つの日本語版尺度の心理測定的特徴を比較検討した。 2) セルフコントロールを要すると想定される意思決定場面における社会的影響の実験的検討については、令和元年度の研究の追試も兼ねて、セルフコントロール研究で伝統的に使用されてきた遅延報酬課題において、他者の規範情報が遅延報酬を選択するか即時報酬を選択するかの意思決定に長期的に影響を及ぼすかを検討した。 3) 新型コロナウイルス感染拡大状況下における遠隔授業の受講状況とセルフコントロールの個人差の関連に関する調査研究については、セルフコントロールの個人差は遠隔授業において、課題の内容に納得するまで時間をかけて取り組むような好ましい学習習慣と関連していることを明らかにした。 2)の実験研究については、令和元年の結果と合わせて論文を執筆し、投稿中である。3)の調査研究については、成果を論文としてまとめ、公表している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き、追試研究によりセルフコントロールを要すると想定されてきた意思決定場面において社会規範の影響が見られることを示したことで、現象の頑健性を確認することができた。また、計画の変更はあったが、新型コロナウイルスの感染拡大下においてもセルフコントロールが望ましい結果に繋がる過程を示すことができたことから、当初の計画で想定していた程度には順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、日常場面においてセルフコントロールを要する場面を類型化しながら、セルフコントロールの個人差との関連を検討する。
|
Causes of Carryover |
緊急事態宣言の発出により、年度末に予定していた実験を実施できなかった。そのため、実験参加者に支払う予定であった謝礼の予算が未使用のままとなった。年度明けに予定していた実験(あるいは、情勢に応じてその代わりとなる実験)を実施するために使用する予定である。
|