2022 Fiscal Year Annual Research Report
セルフコントロールの個人差はどのように好ましい行動習慣を形成するのか
Project/Area Number |
19K14361
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 崇志 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 講師 (70758424)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | セルフコントロール / 規範 / 社会的影響 / 個人差 / 価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度はセルフコントロールを要すると想定される意思決定場面における社会的影響の実験的検討を行った研究の成果を学術論文として公刊した。 また、社会的影響が見られる可能性が考えられる、領域固有なセルフコントロールの個人差を測定する心理尺度の日本語版を作成し、その心理測定的特徴を検討するための調査を行った。セルフコントロールが求められる5つの領域について、領域一般的なセルフコントロールの特性と、領域固有なセルフコントロールの特性とを測定することができる妥当な心理尺度を作成することができた。 令和元年度から令和4年度の研究期間を通じて、セルフコントロールの個人差が社会的に望ましいとされる行動習慣の形成につながる影響過程について、価値と社会的影響の観点から検討を進めてきた。他者の規範情報などによる社会的影響を受けることや、行動の長期的な価値を認識するような介入を受けることにより、望ましさの価値づけがされた行動を遂行しようとする領域固有的なセルフコントロールが駆動されることが、行動習慣の形成の背景にあることが示唆された。今後の研究においては、領域固有的なセルフコントロールの領域間での転移可能性や、領域一般的なセルフコントロールと領域固有的なセルフコントロールのそれぞれの形成に関わる要因、および両者が形成されていく中での相互影響過程について、発達・教育の視点も取り入れながら検討を進めていくことが必要だと考えている。
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