2022 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム障害における社会的動機づけに関与する機能的脳ネットワークの同定
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19K14364
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
青木 隆太 東京都立大学, 人文科学研究科, 特任准教授 (50751103)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,自閉スペクトラム症(ASD)における社会的コミュニケーション不全を説明すると考えられている「社会的動機づけ仮説」を,脳機能イメージングを用いて検証することである。2022年度には下記の知見を得た。 1) 先行研究でASDとの関連が報告されている intrinsic neural timescale(神経活動の内在的時間スケールを反映するとされる指標)を昭和大学で取得された安静時fMRIデータにおいて算出し,ASD群と定型発達群で比較した。その結果,ASD群では定型発達群に比べて感覚情報処理を担う脳領域(体性感覚野,視覚野)における intrinsic neural timescale が低下しているという先行研究と合致する傾向がみられた。一方,社会的動機づけ仮説において重要な関心領域である「心の理論(theory of mind)」に関連する皮質領域や「報酬処理」に関連する皮質下領域ではASD群と定型発達群で intrinsic neural timescale に差はみられなかった。昨年度までに得られた解析結果と合わせると,ASDで見られる感覚症状(感覚過敏・感覚鈍麻)は感覚皮質を主とする局所脳領域における情報処理の時間特性(内在的時間スケール)が関係し,一方で社会的症状(コミュニケーションの不得手)は大域的な脳ネットワークの機能的結合性とその動的変動が関係していると考えられる。現在,この可能性を検証するために,昭和大学においてより高い時空間解像度で取得した独立の機能的・構造的MRIデータを用いて解析をおこなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ASDに特徴的な社会的動機づけに関する症状と感覚に関する症状が異なる神経基盤を持つ可能性を示唆する新たな知見が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
高時空間解像度で取得した独立のMRIデータセットを用いて本年度までに得られた仮説を検証し,感覚から社会性におよぶASDの諸症状をより総合的に理解することを試みる。
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Causes of Carryover |
COVID-19蔓延の影響で延期したMRI実験実施費用の翌年度分を確保するため。
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