2021 Fiscal Year Research-status Report
日本における個性追求傾向の経時的変化とその心理的帰結の解明
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19K14368
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
荻原 祐二 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 助教 (80823351)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 個性 / 文化変容 / 経時的変化 / 対人関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本における個性追求傾向の経時的変化を検証し、その心理的帰結を解明することである。先行研究は、日本における集団レベルの個性追求傾向の高まりを示した。しかし、個性追求傾向の個人レベルの変化は不明である。他者や社会が個性を求めていると認知しているだけで、個人は個性を実際には求めておらず、個人レベルでは個性追求傾向は高まっていないかもしれない。心理や行動、慣習を含めた文化の変容プロセスを解明し、個人と集団の相互構成関係を明らかにするためには、集団レベルだけでなく個人レベルの変化も検証する必要がある。そこで、個人レベルにおける個性追求傾向の経時的変化を明らかにする。 2021年度は、2020年度に引き続いて、新型コロナウイルスの影響により、大学業務が大幅に増加し、生活の様々な点でも多くの制限が生じたため、研究活動に十分なリソースを配分することが困難であった。 日本における個人レベルでの個性追求傾向の経時的変化に関する研究を行うために必要な、集団レベルでの個性追求傾向の経時的変化に関する複数の研究を公刊した。集団レベルにおける個性追求傾向が、より長期にわたって、また、先行研究とは異なる側面においても経時的に高まっていることを実証した。 さらに、個人レベルでの個性追求傾向の経時的変化に関する研究を行うために必要な基礎研究も同時に進め、その内のいくつかは論文として公刊した。特に、日本における名前を用いた研究は蓄積が十分ではないため、基礎的な知見から報告していく必要があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、大学業務が大幅に増加し、生活の様々な点でも多くの制限が生じ、研究活動に十分なリソースを配分することが困難であったため。コロナ禍という特殊な状況での検討を避け、調査実施を延期していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
集団レベルでの経時的変化を検討した研究の公刊作業を進めながら、個人レベルでの経時的変化を検討した研究を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、複数の出張が取りやめになったため。複数の論文において、出版時のオープンアクセス費を想定していたが、免除もしくは減額されたため。研究計画が当初の予定通りには進まなかったため。
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