2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploring the psychological origin of religious beliefs: A re-examination of the "Theory of Mind hypothesis"
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19K14370
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石井 辰典 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (40708989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 宗教的信念 / 心の理論 / 宗教認知科学 / メタ分析 / 潜在連合テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、宗教的信念の起源についての“心の理論仮説”を検証することであった。本研究に関わる2021年度の実績は、1)査読付き論文2つ、2)国際学会での発表1回、3)国内学会でのシンポジウムの開催1回であった。
1)心の理論に関わる能力は複数あるため、どの能力が宗教的信念と関わるかを検討することで、"心の理論仮説" を検証する上で重要である。このテーマについて実施した一連の研究成果が、宗教認知科学・宗教心理学系の雑誌であるReligion, Brain & Behavior誌とThe International Journal for the Psychology of Religion誌にそれぞれ採録・公刊された。2)The 32nd International Congress of PsychologyのOral Presentationにて「Religious belief and social cognitive ability in Japan: A meta-analytic assessment」の発表を行った。3)日本心理学会第85回大会において公募シンポジウム「宗教の認知科学とその文化普遍性・文化特異性:日本の視座から基盤理論を問い直す」を企画・実施した。こうした成果は、宗教的信念の形成・獲得における認知的基盤を明らかにするのに貢献すると期待される。
この他にも、宗教的信念の潜在連合テストをオンライン実験プラットフォームにて実装し、データを収集した。さらに家庭での宗教的信念の伝達の可能性を検討するため、日本科学未来館において親子約80組に対し調査を行った。これらのデータも分析を行い、国際誌に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質問紙を用いた調査研究は予定通り国際誌に掲載された。また昨年度より研究をすべてオンラインでの実施に切り替えたため、宗教的信念を潜在連合テストにより測定する試みについても、順調にデータを収集することができた。しかしながら、昨年度からの研究の遅れを十分に取り戻すことはできず、潜在連合テストの妥当性・信頼性の検証にはまだ時間が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず潜在連合テストについての成果を発表するため、この昨年度収集したデータの分析を急ぐ予定である。同時に、結果の再現性などを確認しつつ、テストの妥当性の検討を進めたい。また計画していた国際比較調査を進めるため、国外での調査実施の準備を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度もCOVID-19の流行が続いており、予定した研究出張、特に国際学会への参加ができなかった。したがって使用予定額と実際の使用学に大きな差が生じた。
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Research Products
(4 results)