2022 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the psychological origin of religious beliefs: A re-examination of the "Theory of Mind hypothesis"
Project/Area Number |
19K14370
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
石井 辰典 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (40708989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 宗教的信念 / 心の理論 / 宗教認知科学 / メタ分析 / 潜在連合テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、宗教的信念の起源についての“心の理論仮説”を検証することであった。本研究に関わる2022年度の主たる実績は、1)査読付き論文1つ、2)国内学会でのシンポジウム開催1回、3)書籍の分担執筆であった。これに加えて、4)研究会での発表、2つの論文の投稿準備を行った。
1)本研究が扱う宗教的信念について、その認知的起源や向社会性促進効果などについてレビューをした論文「適応的なヒューリスティックとしての宗教の合理性」を共著で執筆し、この論文が「認知科学」誌に採録・公刊された。このレビューは、日本の心理学・認知科学界に対して宗教認知科学の知見を紹介する数少ない論文であり、今後の議論の活性化が期待される。 2)日本心理学会第86回大会において公募シンポジウム「宗教的信念の形成・獲得に対する発達科学アプローチ」を企画・実施した。このシンポジウムは、宗教的信念の形成・獲得の発達心理学的研究を紹介するために実施され、日本においても発達的観点からの宗教的信念研究が進展を狙ったものであった。 3)2023年6月に朝倉書店から出版される書籍にて「宗教と進化心理学」という章を執筆した。この書籍は、初学者向けに進化心理学の展開について解説するものであるため、本研究計画に関わる知見を広く紹介することに繋がると思われる。 4)第5回犬山認知行動研究会議にて「宗教プライミングを養護する」という題目で発表を行った。これは宗教的信念の向社会的効果を検討する研究手法について検討・解説するものであった。また大規模社会調査プロジェクトであるInternational Social Survey Programmeが公表するデータを用いて、宗教的信念が社会的・文化的に伝達される可能性を検証した論文、親子約150組以上に対し調査を行い、家庭での宗教的信念の伝達の可能性を検討した論文の2つを執筆し、国際誌への投稿する準備を行った。
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Research Products
(4 results)