2022 Fiscal Year Annual Research Report
文章聴解スキルの構成要素の解明と方略に基づいた指導法の開発
Project/Area Number |
19K14380
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 麻衣子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (60534592)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 聴解 / 読解 / 学習方略 / ICT活用 / 個別最適な学び |
Outline of Annual Research Achievements |
「GIGAスクール構想」によって児童・生徒が各々のタブレット端末で学習を進めることが可能となった。読むことに困難を抱える児童・生徒は,文字情報を音声化して聞くことで内容へのアクセスが可能となった。このような状況において「よい読み方」と同じように「よい聞き方」の指導法の確立が求められる。本研究は,音声化された文章をよりよく理解するために学習方法について提案し実証することを大きな目的としている。 最終年度は,これまでの研究成果をふまえて聴解に必要な方略を整理し,読みに困り感を抱える学習者へ聴解方略を活用するスキルを習得させる指導実践を行った。中学1年生から高校1年生の参加者5名にオンラインでの学習プログラムを実施した。まず「文章を聞いて理解する」とはどういうことかを講義した。そして,「読み上げ音声を調節する」「文字の大きさやフォント,背景色を変更する」といった音声化された文章へのアクセスを容易にする方略と,「大事なところに線を引く」「説明文の構造に注目する」「段落ごとに要約メモを作成する」といった文章を理解するための方略を順に教示し,演習を行った。 プログラムの結果,参加者の説明的文章を聞いて要約するスキルの向上がみられ,学習するときに重要なものとして「方略(学習のやり方)」を重視する考え方へ変容する様子がみてとれた。また,教授した方略の中でも「読み上げる速度を調節する」「大事なところに線を引く」はすべての参加者が今後も活用したいとした一方で,「構造に注目する」「メモを作成する」といった理解深化のための方略は参加者によって活用の度合いが異なることが示された。 研究期間全体を通じて,読解と聴解過程の相違点と共通点が浮き彫りになり,特に読解分野の方略の一部は聴解時にも活用できることが示された。本研究をふまえ,各学習者に個別最適なICTを活用した文章理解の方法の提案が可能となった。
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Research Products
(1 results)