2021 Fiscal Year Annual Research Report
親子双方の発達障害特性と親子関係および子どもの精神的健康との関連メカニズム
Project/Area Number |
19K14381
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
齊藤 彩 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (30794416)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 発達障害特性 / 自閉スペクトラム症 / ASD / 注意欠如・多動症 / ADHD / 養育態度 / 親子関係 / 精神的健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、親子双方の発達障害特性(ASD特性ならびにADHD特性)と親子関係、子どもの精神的健康との関連メカニズムについて、2021年度は、主として以下の研究活動に従事した。 はじめに、昨年度実施した第2回目の質問紙調査について、新たに母親104名と父親47名から有効回答を得られた。昨年度と合わせると、第2回目の質問紙調査では、合計340名の母親と158名の父親から回答が得られた。 第1回目の質問紙調査で得られた横断データによる分析の結果、母子双方のADHD特性が母親の養育における困難と正の関連を示したが、ASD特性については母親のASD特性のみが母親の養育における困難に正の関連を示した。一方、父親については、父親のASD特性およびADHD特性はいずれも父親の養育における困難と正の関連を示したが、子どものASD特性およびADHD特性の高さは父親の養育における困難には有意な関連を示さなかった。 第1回目と第2回目の質問紙調査で得られた縦断データによる分析の結果、母子双方のADHD特性は、肯定的な養育態度には負の関連を示し、否定的な養育態度には正の関連を示した。母子双方のASD特性は、いずれも養育態度には有意な関連を示さなかった。一方、父親のADHD特性は、肯定的な養育態度に負の関連を示し、父子双方のADHD特性は、否定的な養育態度に正の関連を示した。母親データについては、肯定的な養育態度の低さと否定的な養育態度の高さの双方が、子どもの行為面における問題の高さに関連を示した。父親データについては、否定的な養育態度の高さが、子どもの行為面における問題の高さに関連を示した。 本研究で得られた結果について、2021年度に学会発表や論文執筆による発信を行った。現在、親子双方の発達障害特性と親子関係、子どもの精神的健康に関する縦断分析を継続中であり、新たな学会発表や論文執筆の準備を進めている。
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