2021 Fiscal Year Research-status Report
顔の識別能力の発達と柔軟性:人工知能を用いた人間性の探求
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19K14383
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
上野 将敬 近畿大学, 総合社会学部, 講師 (30737432)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 霊長類 / ニホンザル / 個体識別 / 深層学習 / 可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
人を含む霊長類の多くは集団を形成する。集団内では、他者を個体識別し、それぞれの他個体と社会関係を築いている。本研究課題では、他者の顔を識別する能力が、どの程度生得的で、どの程度後天的なのかを探り、動物の中でも際立つ人の社会性の基盤を解明することを目指す。サルの個体識別をした経験を持つサル研究者と一般成人を対象として、成人期における顔の識別能力の柔軟性を検討した。結果として、成人した後であっても、サルを見る経験を積むことによって、サルの識別能力が向上することが示唆された。この研究成果は、国際学術雑誌であるJournal of Comparative Psychology誌において2021年に公開された。 また、本研究課題では、ニホンザルの個体識別を行うプログラムを深層学習を用いて開発した。深層学習と逐次ベイズ更新を組み合わせることによって、高い精度でニホンザルの識別を行うことが示唆された。この研究成果は、国際学術雑誌であるEthology誌において、2022年3月にonline firstの形で公開された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの研究成果は、国際学術雑誌であるJournal of Comparative Psychology誌とEthology誌において発表することができた。以上の点に関しては、順調に進展していると言える。 他方で、ニホンザルの個体識別を行うプログラムの精度の向上のため、岡山県真庭市神庭の滝自然公園付近に生息する勝山ニホンザル集団を対象としたさらなる画像・動画を収集する必要がある。しかし、新型コロナウイルスの感染状況により、十分なフィールドワークを行うことができなかった。以上のことから、本研究課題はやや遅れていると評価することが妥当であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
出張が可能な状況であれば、岡山県真庭市神庭の滝自然公園付近に生息する勝山ニホンザル集団の成体個体の画像を収集し、個体識別プログラムの精度を向上させる。さらに、ニホンザル同士の表示認知に関する研究成果を国際学術雑誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
本研究課題では、岡山県真庭市への出張を必要としているが、新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、出張を取りやめた。次年度には、可能であれば、2021年度にとりやめた分の出張を行う。
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