2019 Fiscal Year Research-status Report
Effect of auricular therapy on the learning context and the sleep of the college student
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19K14388
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
脇 英彰 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 助教 (50807899)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学習状況 / 睡眠 / 抑うつ / 耳介療法 / セルフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
【当該年度に実施した研究の成果】睡眠に問題を有する学生は認知機能だけでなく気力の喪失、抑うつなどの精神状態にも悪影響を及ぼすことから授業の出席や成績などの学習状況に悪影響を与えている。これまで、耳に電気刺激を行う耳介療法は睡眠障害やうつ病を改善させることが報告されており、セルフケアとしても用いることができる。そこで、大学生の学習状況を改善させるセルフケアの効果を検証するため、睡眠や気分に問題を有する大学生に28日間の耳介療法を実施した場合(介入群)の睡眠やうつ状態、学習状況について、実施しない場合(対照群)とのランダム化比較試験を実施した。その結果、就寝前に実施する耳介療法は日中の眠気や抑うつ状態を軽減させ、学習状況を改善させる可能性が示された。 【具体的内容】睡眠や精神状態の問題により学習状況に悪影響を及ぼしていると自覚のある大学生18名を対象とし、ランダム化比較試験を実施した。実験期間は28日間とし、初日と28日目に主観的評価として、日中の眠気・抑うつ状態はESS眠気尺度・ベック抑うつ尺度(BDI-II)、学習状況はUtrecht Work Engagement Scale for Students(UWESS-J)にて評価した。介入はセイリン社製の円皮鍼0.3mmを使用し、介入部位は不眠やうつに有効とされてきた両側耳介の神門と心の2点とした。被験者には入眠前に両側の2点に電極を貼り付け、100Hzの頻度で被験者が気持ち良いと感じる強度にて実施した。その結果、初日と28日目を比較し、ESS眠気尺度、BDI-II、UWESS-Jに改善(p<0.05)が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
耳介療法によるセルフケアの安全性や有効性を検討できており、研究により算出した被験者数を確保できているため、当初の計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に実施した研究の継続に加え、唾液中コルチゾール・メラトニン、睡眠中の生体反応の解析を行う。その上で、学会発表、オープンアクセス誌への投稿を考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由:本年度に測定する予定であった唾液中ホルモンの測定を装置の故障により実施することができなかった。装置は修理が完了し測定できる状況にあるため、次年度では唾液中ホルモンの測定を加えて研究を遂行する予定である。 次年度の使用計画:アンケートの購入、睡眠生体反応と唾液中ホルモンの測定に必要な消耗品の購入、ノートパソコンの購入、被験者への謝金、成果発表に関わる費用を次年度に使用する予定です。
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