2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K14391
|
Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
山川 樹 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 講師 (70817650)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 心理学 / 抑うつ / 現代抑うつ症候群 / 新型うつ / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(1)新しいタイプの抑うつ症候群(以降、新抑うつとする)の重症度概念を検討し、(2)それを測定する尺度を作成し、(3)現場における利用可能性を検討することを目的とする。 2019年度には3つの課題を設定した。1つ目の課題は、新抑うつの概念定義及び発症モデルを理論化することである。これについて、既出の発症機序に関する仮説枠組みをもとに、近年の当該分野における研究の進展も踏まえて発症モデルを構築し、論文として発表した(1。2つ目の課題は大規模調査を実施し、新抑うつの重症度を測定する尺度項目を選定することである。これについては22歳から59歳の会社員男女400名を対象としてオンライン調査を実施した。その成果は日本心理学会第83回大会の公募シンポジウムにおいて発表した(2。3つ目の課題は作成した尺度の予測的妥当性を検討するための縦断調査に着手することである。これについては、内定の決まっている大学4年生を対象として2020年3月に第1回調査を実施し、802名からの回答を得た。調査は現在継続中である。
成果 1)坂本真士・山川樹 (2020). 対人過敏・自己優先型抑うつの提唱―「新型うつ」の心理学理論―, 日本大学文理学部人文科学研究所研究紀要, 99, 109-140. 2)坂本真士・山川樹(企画)(2019). 公募シンポジウム86 新しいタイプの抑うつ症候群への心理学アプローチ―「新型うつ」とは何だったのか―, 日本心理学会第83回大会, 9月, 大阪
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(2019年度)に計画した3つの課題を予定通り遂行しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度は現在進行中の縦断調査を継続する。なお、新型コロナウィルス感染症の流行から全国的に緊急事態宣言が発出されたことに伴い、2時点目の調査時期を1か月延期した。しかし、研究結果への支障は僅かなものと考えられるため計画に変更は加えず研究を遂行する予定である。なお、精神科医と協同した臨床群への面接調査も既に着手している。
|
Causes of Carryover |
約2年に渡る長期縦断調査について、オンライン調査発注時に全体の費用が発生することを想定して予算を見積もった。しかし、実際に発注したところ調査全体が長期間にわたるため、1回の調査ごとに費用を算出し支払うこととなった。よって、当該年度では1回分の調査費用のみ支払ったため、残りの調査にかかる予算を次年度以降に繰り越すこととなった。
|