2019 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児の社会的認知発達における内受容感覚の役割の解明とその評価・支援法の開発
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19K14392
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
今福 理博 武蔵野大学, 教育学部, 講師 (80786616)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 内受容感覚 / 社会的認知 / 乳児 / 養育者 |
Outline of Annual Research Achievements |
内受容感覚とは,空腹,体温,心拍などの身体内部の状態を知覚することである。内受容感覚は,他者とかかわる上で必要となる社会的認知や,子どもの生存可能性を高める養育行動に寄与している可能性が議論されている。しかし,これまでの研究は成人対象のものがほとんどであり,発達初期において内受容感覚が社会的認知発達に果たす役割は明らかでない。本研究では,乳幼児を対象に,社会的認知発達における内受容感覚の役割を実証的に解明する。更に,養育者 (母親) の内受容感覚の個人差が,養育行動や育児ストレスに及ぼす影響を明らかにする。 研究1では,青年・成人において内受容感覚と社会的認知の関連性を検討した。青年・成人を対象に,内受容感覚の正確さと情動的共感の指標である表情模倣との関連を検討した。また,他者の社会的手がかり(アイコンタクト)が表情模倣を促進することから,内受容感覚はアイコンタクトによる表情模倣の促進効果を調整するかどうかを検討した。その結果,内受容感覚が高い者は,(1)表情伝染が起こりやすく,(2)アイコンタクトによる表情模倣の促進効果が大きいことがわかった。この成果は,一流国際雑誌にて改稿中であり,再投稿する予定である(Imafuku et al., under revision)。 研究2では,乳児と母親を対象に内受容感覚の個人差を測定し,母子相互作用場面における社会的行動との関連性を検討することで,社会的認知発達における母子の内受容感覚の役割を明らかにすること目的とした。本研究では,乳児から大人まで内受容感覚を同一指標で評価する新たな測定法を開発した。この測定法を用いて,乳児と母親において内受容感覚の個人差を評価できることを確認した。更に,母子において内受容感覚の敏感さが高いペアは,相互作用場面で社会的行動(アイコンタクト等)が多いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は乳児から大人まで内受容感覚を同一指標で評価する新たな測定法の開発に時間を要すると想定していたが,早い段階で測定法を開発することができた。これにより,想定以上に実験が進み,実験データの収集,分析をおえることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では,乳児期の内受容感覚の個人差が,その後の社会認知発達をどのように予測するかを検討する。更に,内受容感覚と社会的認知の関連メカニズムについて,現在は相関関係の検討に留まっているため,因果関係の検討を行う予定である。また,次年度以降は行動指標に加えて,脳機能指標を含めて検討を行う。
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Causes of Carryover |
初度に使用予定であった機材が,実験計画の関係で次度に購入することになったため,次年度使用額が生じた。
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