2019 Fiscal Year Research-status Report
追跡調査による2つの中間群大学生の「知覚された無気力」特徴の解明
Project/Area Number |
19K14400
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Research Institution | Hiroshima Bunkyo University |
Principal Investigator |
住岡 恭子 広島文教大学, 人間科学部, 講師 (00805468)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 知覚された無気力 / 学業領域 / 中間群大学生 / 追跡調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究の目的は,学業に積極的でも非積極的でもない中間群大学生の「知覚された無気力」の特徴を,4年間の追跡調査によって明らかにすることである。2019年度は計4回の追跡調査のうち,ベースラインとなる第1回調査を実施した。 【方法】第1回調査の協力者は,国立大学1校,私立大学3校それぞれに在学する,大学1~4年次生(留年生も含む)547名であった。調査票の直接配布とウェブ上の調査票のいずれかを用いて調査を実施した。調査内容は①デモグラフィック変数(年齢,性別,学年,学部学科),②学業領域における知覚された無気力尺度(大西,2016)15項目,③University Personality Inventory(全国大学保健管理協会,1968)60項目,④大学生活における重点項目(高坂,2016)21項目であった。なお,調査の実施に際しては研究代表者が所属する大学においてあらかじめ倫理審査を受けた。 【結果】第1回調査への協力者547名のうち,337名から追跡調査への同意が得られた。結果の分析により,これまでの研究と同様,「回避-葛藤群」と「達成非重視群」という2つの中間群大学生の存在が確認された。また群ごとのそれぞれの変数との関連性の違いも見出された。 【考察】2回目以降の追跡調査を実施するための十分な協力者数が確保できた。第1回調査時点での各変数間の関連については引き続き分析を進める。第1回調査で得られた値をベースラインとして,今後4年間の各群の変化の違いとその要因を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・第1回調査を予定通りの時期に,大学生547名の協力を得て実施することができた。 ・加えて追跡調査への協力者337名を確保することができた。 ・研究成果の一部を,学会発表1件,所属大学の紀要論文1本にまとめた。 ・残りのデータについては現在さらなる解析をすすめているところであり,2020年度も1件の学会発表と2本の論文(教育心理学研究・広島文教大学心理学研究)にまとめ投稿する予定である。 ・第1回調査の結果をベースラインとし,2020年度秋に第2回調査を実施すべく,準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
・第1回調査のデータを引き続き分析しまとめたものを,学会で発表し論文として投稿する。 ・2020年度秋に第2回調査を実施し,第1回調査の結果と合わせてデータ分析をし,中間群大学生の特徴を明らかにする。 ・追跡調査の協力者を対象にインタビュー調査を実施し,各群の大学生の特徴を詳細に検討する。
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Causes of Carryover |
600名の協力者を対象に調査を実施する予定であり,全員への謝礼の配布を計画していたが,当初よりも全体数が少ない協力者によって,十分な追跡調査への同意者が集まった。また協力者の内には,謝礼を必要としない欄にチェックをつけた者や,謝礼送付の為のメールアドレスにエラーが出た者もおり,これらの協力者には謝礼を送付しなかった。そのため,当初の想定よりも人件費・謝金に関わる額が少なくなった。次年度使用額は,次年度以降の追跡調査において協力者が減少した際に,追加の協力者募集と確保のために使用する予定である。
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