2020 Fiscal Year Research-status Report
追跡調査による2つの中間群大学生の「知覚された無気力」特徴の解明
Project/Area Number |
19K14400
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Research Institution | Hiroshima Bunkyo University |
Principal Investigator |
住岡 恭子 広島文教大学, 人間科学部, 講師 (00805468)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 知覚された無気力 / 学業領域 / 中間群大学生 / 追跡調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,学業に積極的でも非積極的でもない中間群大学生の「知覚された無気力」の特徴を,4年間の追跡調査によって明らかにすることである。2020年度は追跡調査の初回となる第2回調査を実施した。 第1回調査の協力者を対象にメールで追跡調査への協力を依頼し,ウェブ上で調査を実施した。在学生用と卒業生用の2種類の調査票を用意しいずれかへの回答を求めた。いすれも開始画面の参加選択肢によって同意を確認した。在学生用の調査内容は①デモグラフィック変数(年齢,性別,学年,学部学科),②学業領域における知覚された無気力尺度(大西,2016),③大学への満足度に関する項目,④大学生活における重点項目(高坂,2016),⑤University Personality Inventory(全国大学保健管理協会,1966)であった。卒業生用の調査内容は①デモグラフィック変数(年齢,性別,勤務形態,職種),②ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度日本語版(Shimazu,2008),③職場適応感尺度(野田・奇,2016),④自己評価式抑うつ尺度(SDS)(福田・小林,1983)であった。 調査の結果,196名分の回答データが得られ,内181名分のデータが第1回調査のデータと照合できた。大学卒業生のデータは2名分のみであったため,今年度の分析対象から除外した。分析によりこれまでの調査と同様に「回避-葛藤群」と「達成非重視群」という2つの中間群大学生の存在を確認することができた。現在より詳細な解析の最中である。 次年度以降の追跡調査を継続するための十分な協力者数は変わらず確保できている。一方で2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響による教育エフォートの増大,学会の中止などの影響によりデータの解析と研究成果の公表の進捗がやや遅れている状況である。今後早急にデータ分析をすすめ,成果をまとめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第2回調査は概ね予定通りの時期に実施することができ,181名分の追跡データが確保できた。次年度以降の追跡調査を継続するための十分な協力者数は変わらず確保できている。2021年度秋の第3回調査の実施についても準備を進めている。 一方で2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響によって教育エフォートが増大して研究時間を圧迫し,学会の中止や研究代表者の所属異動などによって,研究成果が思うように得られなかったため,上記の進捗状況とした。 現在急ぎデータの解析を進めているところであり,2021年度は1件の国際学会と2件の国内学会での発表を予定している。年度内には論文としてもまとめる。
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Strategy for Future Research Activity |
第1回,第2回調査のデータを引き続き分析しまとめたものを,国内外の学会で発表し論文として投稿する。 2021年度秋に第3回調査を実施し,第1回,第2回調査の結果と合わせてデータ分析をし,中間群大学生の特徴を明らかにする。 追跡調査の協力者を対象にインタビュー調査を実施し,各群の大学生の特徴を詳細に検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により,参加予定であったすべての学会が中止もしくはオンライン開催となったため,今年度は旅費の支出がなかった。代わりにオンライン学会参加のための物品購入を行うなど,実際の支出が当初の計画とは大幅に異なることとなった。次年度使用額は翌年度分と合わせて研究成果の公表にかかわる学会の参加費,旅費,論文投稿費などとして使用する予定である。
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