2022 Fiscal Year Research-status Report
追跡調査による2つの中間群大学生の「知覚された無気力」特徴の解明
Project/Area Number |
19K14400
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
住岡 恭子 岡山大学, 社会文化科学学域, 講師 (00805468)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 知覚された無気力 / 学業領域 / 中間大学生 / 追跡調査 / 潜在曲線モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,学業に積極的でも非積極的でもない中間群大学生の「知覚された無気力」の特徴を,4年間の追跡調査によって明らかにすることである。 2022年度は最終回となる4回目の調査を実施した。第1回~第3回調査の協力者を対象に協力を依頼し,ウェブ上の大学在学生用と卒業生用の2種類の調査票いずれかへの回答を求めた。在学生用の調査内容は①デモグラフィック変数(年齢,性別,学年,学部学科),②学業領域における知覚された無気力尺度(大西,2016),③大学への満足度に関する項目,④大学生活における重点項目(高坂,2016),⑤キャリア意識尺度(安達,2004であった。卒業生用の調査内容は①デモグラフィック変数(年齢,性別,勤務形態,職種),②ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度日本語版(Shimazu,2008),③職場適応感尺度(野田・奇,2016),④自己評価式抑うつ尺度(SDS)(福田・小林,1983)であった。 第1回から第4回までの調査に回答した計545名分のデータを,潜在曲線モデルと条件付き潜在曲線モデルによって分析し,学業領域の知覚された無気力における発達的変化について明らかにした。その結果,労力回避と達成非重視は経年的に増加しているが,葛藤には経年的変化がみられないこと,男性の方が女性よりも労力回避と達成非重視の初期値が高く,女性の方が男性よりも葛藤の初期値が高いこと,私立大学在学者は国公立大学在学者よりも達成非重視の初期値が高いこと,Time 1での学年が高い学生の方が,学年が低い学生と比べて全ての下位尺度の初期値が高く,さらに労力回避と達成非重視の変化率はTime 1での学年が高くなるにつれて低下することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度に,当初予定していた4回分の調査はすべて終了した。今後はさらに調査結果の分析と,まとめと公表の作業を行う必要がある。2022年度は1本の学会発表を行った他,現在日本心理学会に本研究の成果をまとめた論文を投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で行った4回の調査結果については,さらなる分析の作業と,論文にまとめ公表する必要がある。今後,少なくとも2本の投稿論文にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
本研究で得られた成果を,論文にまとめ公表する予定である。次年度使用額はそのための文具などの購入の予算として使用する予定である。
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