2023 Fiscal Year Research-status Report
感謝の向社会的行動動機づけ機能に関する発達心理学的研究
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19K14401
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
清水 真由子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (60707793)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 感謝 / 向社会的行動 / 直接互恵性 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
協力的な社会を維持するための原理の一つとして直接互恵性がある。直接互恵性とは、以前自分を援助してくれた相手を選択して援助するという「持ちつ持たれつ」な関係性のことである。幼児間でみられる直接互恵的な向社会的行動のやり取りは、安定した友達間で成立しやすく社会的な関係構築の基礎となることから、社会性の発達において重要であると考えられてきた。この直接互恵性を成立させるための至近要因として「感謝」があげられる。向社会的にふるまってくれた相手に感謝することによって、その相手へのお返しの向社会的行動が動機づけられ、協力的な対人関係が構築・維持されていく。本研究は、感謝が向社会的行 動を動機づけるのかを発達的側面から検討することを目的とし、感謝理解や感謝行動が幼児の社会的関係構造にどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目指した。本研究では、アメリカで実施された感謝理解課題を日本の幼児を対象に実施し、感謝が援助者との関係維持機能を有するのかを文化比較も含めて検討した。 分析の結果、文化に共通して道徳的美徳としての感謝理解の萌芽が幼児期からみられることと同時に、日本の幼児では援助者のコストに応じた互恵規範を内包した感謝が発動することが示唆された。今後、課題の設定状況を精密にし感謝に影響する状況要因を詳細にみていくことで、感謝が促進する返報や関係構築という協力社会のメカニズムとその発達について明らかにすることができるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は研究代表者の勤務先の異動があり、新たな教育活動の準備等があり、研究活動に割く時間が減少したため。
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Strategy for Future Research Activity |
観察された直接互恵的な向社会的行動のやり取りと、感謝理解の程度との関連を分析し、幼児の感謝理解が直接互恵性の成立に影響しているのかを検討する。
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Causes of Carryover |
学会がオンライン開催となり、当初予定していた旅費の執行がなくなったため、次年度使用額が生じた。 次年度、投稿論文の執筆や学会発表等、積極的に研究成果をアウトプットしていくことを計画している。
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