2022 Fiscal Year Research-status Report
5歳児の報酬分配における公正判断と作業量/総報酬量への重みづけ
Project/Area Number |
19K14404
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
津々 清美 美作大学, 生活科学部, 准教授 (70584358)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分配公正 / 平等志向 / 報酬分配 / 総報酬量 / 幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、これまで、“ある作業の見返りとして得た報酬をどのように分配すれば公正であるか”について、報酬分配課題を用いて幼児の分配公正を検討してきた。その際、特に、参加児の利己的動機が関与しない第三者立場の分配状況を設定し、分配する前の総報酬量(数)を操作した実験を行ってきた。つまり、総報酬量(数)の豊かさや乏しさが、幼児の公正判断にどのような影響を与えているのかに焦点を当てて検討してきたということである。 本申請では、乏しい総報酬量を使用して幼児の分配公正について検討し、幼児の平等志向やその推定値などについて論じたTsutsu(2018)の研究に基づき、総報酬量が豊かな時の分配公正について検討することを目的としている。具体的な目的として、第一に、豊かな総報酬量(数)に基づく5歳児の志向タイプの種類やその推定値について検討していくこと、第二に、眼鏡型のアイトラッカーを使用して参加児の視線を測定することにより、幼児が、登場人物の作業量(数)と手元に呈示された総報酬量(数)のどちらによりウェイトを置いて公正判断を行っているのかを検討することの2点を検討することを目的としている。 2022年度は、COVID-19の感染症が落ち着き、研究協力園での実験実施が可能となったことから、本申請の目的を達成するために、幼児を対象とした実験を実施した。得られたデータについて、整理、集計、分析を行った。ただし、視線データについては、データの抽出・整理に時間を要しており、継続してデータの抽出を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響により、申請した目的の実験を遂行できたのが2022年度10月と遅かったこと、および視線データの抽出に時間を要していることにより、遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
視線データの抽出を進めていくと同時に、得られた結果について学会発表を行う。また、論文作成・投稿を行っていく。 視線データの抽出については、詳細な分析を行うことを目指しているために1人あたりのデータ抽出にかなりの時間を要しているところが課題である。詳細なデータ分析ではなく、ある程度大まかな抽出でも本研究の目的を達成できないか検討していきたい。
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Causes of Carryover |
大学業務の多忙により、学会発表や論文投稿等ができなかったため、次年度使用額が生じた。2023年度は、学会発表および論文投稿を行い、これらに使用していく予定である。
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