2023 Fiscal Year Research-status Report
5歳児の報酬分配における公正判断と作業量/総報酬量への重みづけ
Project/Area Number |
19K14404
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
津々 清美 美作大学, 生活科学部, 准教授 (70584358)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 公正判断 / 総報酬量 / 平等志向 / 分配 / 幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、作業量の異なる登場人物2名に対して報酬を分配するとき、どのように分配するのが公正であるかを問う報酬分配課題を用いて、このときの5歳児の分配における公正さを検討した。 本研究では、分配する際の総報酬量が豊かなときの条件を複数設定した実験を行うことにより、特に、2018年に発表した乏しい総報酬量のときの結果と比較して、豊かな総報酬量を分配する際に、5歳児の平等志向(徹底的平等主義と相対的平等主義)がどのような推定値になるのか、また、ウェアラブル型のアイトラッカーを参加児に装着してもらった状態で、分配や分配理由を測定する際、参加児が登場人物の作業量と手元の総報酬量をどのように関係づけているのかを検討すること、の2点を主な研究目的とした。 2023年度では、アイトラッカーを用いた実験結果の一部について学会発表を行った。そこでは、徹底的平等主義者の存在が乏しい総報酬量のときよりも少なくなること(ただし、ゼロではない)、相対的平等主義者が乏しい総報酬量のときよりも増加すること、分配パターンを三つに分類した際の反応時間に違いはないことなどの結果を発表し、総報酬量に対して5歳児が柔軟に切り替えていることを指摘し、実行機能の能力との関連を示唆した。 また、2022年度に時間を要していたアイトラッカーによる視線データの抽出および、データ分析をすすめ、現在、論文執筆をすすめているところである。論文執筆については、現在進行形であるため、2024年度も引き続き論文執筆をすすめ、論文として投稿・発表していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主に次の3点から研究に遅延が生じている;(1)2019年からのCOVID-19の大流行により、しばらく幼児を対象とした実験を行うことが難しく、実験が先送りになってしまったこと、(2)アイトラッカーを用いた視線測定によるデータ抽出に時間を要したこと、(3)業務が多忙になってしまったこと、である。
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Strategy for Future Research Activity |
論文執筆を行なっているところである。2024年度は最終年度となるため、当該年度前半中に論文執筆を終え、論文投稿を行っていく。論文は、英語論文の投稿を目指して執筆しているところであるが、想定したよりも時間を要すると判断される場合は、日本語による論文執筆に切り替えて投稿を行っていくことも検討する。
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Causes of Carryover |
英語論文の執筆を行い、その校閲費や論文投稿料にあてていく予定であったが、論文執筆に遅延が生じたこと、また学会発表が1回少なくなってしまったことにより、次年度使用額が生じた。 今年度前半中に論文執筆を完了させる予定であるため、生じた次年度使用額は、校閲費や論文投稿料のために使用していく予定である。また、学会発表も行う予定であるため、学会参加費として使用していく。
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