2022 Fiscal Year Research-status Report
親子の愛着課題の二重負荷構造への介入を通したひきこもりへの家族支援プログラム開発
Project/Area Number |
19K14408
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
齋藤 暢一朗 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (90722091)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ひきこもり / アタッチメント / 家族支援 / メンタライゼーション / 長期化 / オンライン / 80-50 |
Outline of Annual Research Achievements |
ひきこもり者本人の年齢は、30代以下の若年層事例と、40代・50代以降の中高年層事例とで二極化している傾向がある。若年層事例においては、家族の本人に対する社会参加への思いは強い傾向にあるが、中高年齢層事例においては、必ずしも家族は本人に対して社会参加を積極的には求めない傾向もある。全国のひきこもり家族会に関する情報交流を通して得られた知見として、80-50問題と言われる家族会員が増えており、若年層事例の会員の定着が課題となっている場合もあることが認められた。すなわち、ひきこもり支援においてはこうした当事者及び家族の年齢による二極化傾向を踏まえた対応が求められるようになってきていると言える。 こうした背景を踏まえ、今年度はこれまでの調査成果に基づいて、家族支援プログラムをメンタライゼーションの視点を取り入れて編成していった。心理教育がもたらすひきこもり家族への機能について再検討し、これまで取り入れていたコミュニケーションスキルに加えて、親自身のメンタライジングを回復することも目的に加えた。このことにより、プログラムで身に着けたコミュニケーションスキルをより機能的に用いることが期待される。 新型コロナウイルス等で対面実施が困難である課題を解決するため、プログラムをオンライン化することとした。オンライン化により、プログラム参加者の地理的、スケジュール的な障壁を解消することにもつながり、本研究成果をより多くの対象者に届けることにつながると期待される。心理教育プログラムについては、オンデマンド化することで、受講の利便性を高めることとした。また、参加者に対する個別支援については、心理教育プログラムを実践するための補完及び強化することが狙いとなるが、個別支援もオンラインで行うこととする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究全体の遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
オンラインでの家族支援心理教育に加えて、オンラインでの個別サポートを組み合わせたプログラムを実施する予定。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により研究全体に遅れが生じたため。
|