2021 Fiscal Year Research-status Report
実行意図の形成による恋人間暴力への予防的介入とスマートフォン・アプリの開発
Project/Area Number |
19K14409
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
古村 健太郎 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (40781662)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 恋人間暴力 / IPV / DV / 予防介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,臨床社会心理学的知見に基づき,恋人間暴力の発生や激化を防ぐための予防的介入を開発することにある。その目標を達成するために,if-then形式の行動計画である実行意図の形成による予防的介入を提案し,その効果検証を行うことにある。これらの研究を通して,特定のターゲットへのピンポイント介入も可能な恋人間暴力の予防的介入を開発することも目的である。
2021年度は,恋人間の暴力がエスカレートする過程について,高校生及び大学生に対する大規模調査の二次データ分析によって検討し,恋人間の暴力被害が被害なしの状態から友人関係の制限,精神的暴力や身体的暴力,性的暴力へと発展することが示唆された。この成果は学術書(分担執筆)において発表された。また,恋愛カップルを対象に,恋人間暴力のエスカレート過程を解明するための恋愛カップル縦断調査を実施したものの,分析に耐えうる十分なサンプル数を収集することはできず,恋人間暴力の経時的変化を十分に検討することはできなかった。しかし,カップル間の暴力加害と被害の程度によって恋愛カップルをグルーピングすることで,恋人間暴力が生じているカップルや生じていないカップルの相違を検討することができた。この成果は2022年度の学会で発表予定である。一方,実行意図の形成による介入実験は,新型コロナウイルス感染症による影響により,実施することができなかったものの,その準備は進んでおり,2022年度に実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実行意図の形成による介入実験は,新型コロナウイルス感染症による影響により,実施することができなかった。しかし,予備調査のための準備は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は縦断的研究によって恋人間暴力のエスカレート過程及びその抑制要因を士縦断的研究によって検討するとともに,少人数を対象とした介入実験を試行する。それらの成果を踏まえ,介入実験を行っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により予定していた実験が実施できなかったこと,予定していた調査の対象者が想定よりも少なく調査を縮小したこと,研究ミーティングが実視できなかったことが理由として挙げられる。次年度以降,計画していた研究やミーティングを随時実施していくことで対応していく。
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[Book] 若者の性の現在地2022
Author(s)
林 雄亮、石川 由香里、加藤 秀一
Total Pages
256
Publisher
勁草書房
ISBN
978-4-326-60348-0