2022 Fiscal Year Research-status Report
心理援助職の倫理的困難の実態及び倫理的意思決定能力の発達的変化に関する研究
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19K14411
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
慶野 遥香 筑波大学, 人間系, 助教 (10633224)
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Project Period (FY) |
2020-02-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心理職の職業倫理 / 倫理的困難 / 職業倫理教育 / 発達的変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、実践に役立つ心理援助職の職業倫理に関する基礎的知見を得ることによって、心理援助職の倫理性向上に貢献することである。具体的には、心理職の倫理的困難や職業倫理経験に関する実態を明らかにする研究(研究1)と、心理職の職業倫理に関する発達的変化を明らかにする研究(研究2)で構成されている。 研究1に関しては、2020年度に実施した心理職の倫理的困難と職業倫理教育経験に関する研究成果を学術雑誌に投稿した。このうち、職業倫理教育経験と職業倫理に関する自己評価との関連を検討した論文が雑誌『臨床心理学』に受理され、掲載が予定されている。 研究2は、当初の計画では海外で用いられている尺度を翻訳し、質問紙調査を行う予定であった。しかし、尺度や関連する文献の精査、また研究1の結果において日本の心理職は年代によって職業倫理教育の経験にばらつきが大きかったことから、定性的尺度を用いた横断研究では、発達的変化を明らかにすることは難しいと考えられた。そこで、心理職の職業倫理に関する認識や、実践における倫理的判断のあり方の発達的変化を探索的に明らかにするため、インタビュー調査を計画、実施した。2022年10月から2023年2月にかけて、実務経験のある心理職8名にインタビューを行い、データの分析を進めている。なお、より信頼できるデータを得るために、経験年数や活動領域のバランスを鑑みて、次年度もインタビュー調査を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心理職の職業倫理の発達的変化に関するインタビュー調査を実施したが、調査協力者との日程調整の困難さなどから、完了に至らなかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
調査協力者が予定の人数に達するまで上記のインタビュー調査を継続し、データ分析及び成果の公表を行う。
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Causes of Carryover |
学会参加のために旅費を計上していたが、新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、参加費以外の旅費が発生しなかった。また、今年度実施したインタビュー調査の継続、研究成果の公表にかかる費用が発生する予定である。
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