2023 Fiscal Year Research-status Report
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19K14413
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
石川 亮太郎 大正大学, 心理社会学部, 准教授 (80625608)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 加害型対人恐怖症 / 認知行動理論 / 社交不安症 |
Outline of Annual Research Achievements |
加害型対人恐怖症尺度の信頼性を検証するため、社交不安症の基準を満たし、さらに何らかの加害型対人恐怖を体験している大学生 144 名(mean age = 19.18, SD = 0.98)を対象に、4 週間の間隔をあけたTest-retest reliabilityを調査した。分析の結果、初回調査(T1)および再調査(T2)における加害型対人恐怖症尺度の点数には、仮説通り有意な相関がみられた (r [142] = .771, p < 0.001) 。また、加害型対人恐怖症尺度は、Sheehan Disability Scale (Sheehan, 1983; Yoshida et al., 2004)とも有意に相関していた(r = .707, p < .001).以上の結果から、加害型対人恐怖症尺度には十分な再検査信頼性と収束的妥当性があることが確認された。 次に、社交不安症の基準を満たし、さらに何らかの加害型対人恐怖を体験している大学生534名 (mean age = 19.58 years, SD = 1.307)を対象に加害型対人恐怖症尺度を用いた調査をおこない、加害型対人恐怖症の認知行動モデルを検証した。連続的媒介分析(Serial mediation analysis)の結果、回避行動と安全行動は、加害型対人恐怖と関連する思考の確信度を媒介し、最終的に、加害型対人恐怖の苦痛度を予測するという結果が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的とおり、加害型対人恐怖症の認知行動モデルを検証することができた。分析の結果、仮説通り、回避や安全行動といった行動的要因によって、加害型対人恐怖が予測されるという結果が示された。現在、これまでの研究結果をまとめた論文を執筆が完了し、国際学術雑誌に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
加害型対人恐怖を予測する認知バイアスを検証する質問紙調査を実施した。今後は、当該研究によって得られたデータを解析し、2024年度中にその結果をまとめ、論文投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
加害型対人恐怖を予測する認知バイアスを明らかにするための調査を実施し、現在は、その結果の統計解析を行っている。今後は、当該研究の結果を英語論文としてまとめ、論文投稿することを目指す、そのための経費(おもに英文校閲費)等が、次年度使用額として生じた。
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