2021 Fiscal Year Research-status Report
安静時機能的MRIとの対応による認知症の包括的認知機能評価システムの構築
Project/Area Number |
19K14418
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
城間 綾乃 琉球大学, 病院, 特命一般職員 (50751567)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症 / アルツハイマー型認知症 / 軽度認知障害 / 認知機能障害 / 安静時機能的MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、日常臨床場面で利用可能な認知症の認知障害を包括的に評価する簡易神経心理テストバッテリーを作成し、それらを用いて明らかとなる認知症の認知障害パターンと認知障害の神経基盤としての脳内ネットワークについて検討することであった。具体的には、認知症患者を対象に認知機能評価と磁気共鳴画像装置を用いた安静時脳活動データの取得を行い、安静時ネットワーク内及びネットワーク間の機能的結合性指標の変化の差異について、アルツハイマー型認知症と軽度認知障害を対象に検討行うことであった。認知症の認知機能障害の検出には、全般性認知機能、注意機能、処理速度、視空間構成機能、遂行機能の評価に鋭敏とされる神経心理検査から構成される簡易神経心理検査テストバッテリーを用いて評価を行った。 R3年度は、R2年度に引き続き認知症、主にアルツハイマー型認知症及び軽度認知障害患者の認知機能評価と安静時脳活動データの収集を継続し、認知症の認知障害を神経心理学的水準と生物学的水準から捉えた包括的な報告を行う予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響を受け、健常対象者のデータ収集を開始することができず、アルツハイマー型認知症及び軽度認知障害患者の症例数においても目標解析人数に届いていない。よって今年度は認知症の疾患別の認知プロフィールの把握、独立成分分析を用いた安静時脳活動ネットワークの抽出といった予備的解析に留まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は新型コロナウィルスの影響もあり、外来受診患者数が減少しており、認知症患者症例数が目標解析人数に達していない。また、健常対象者のデータ収集を開始することが出来ず次年度へと変更を余儀なくされた。そのため、進捗状況はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究課題の最終年度であり、認知症患者及び健常対象者の認知機能評価と安静時脳活動データの取得を行い、認知機能障害と脳内ネットワークの機能的結合性の変化との関連性に関する解析を遂行する予定である。安静時脳活動に関しては、Triple network modelのCore neurocognitive networkを構成するSalience network、Central executive network、Default mode networkに着目し、ネットワーク内およびネットワーク間の機能的結合性の変化と認知症患者の認知様相との関連を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
R3年度は、新型コロナウィルス感染症の影響を受け、予定していた研究資料収集や研修会、国内学会への現地開催が中止となり、旅費に計上していた経費が残額となった。また、健常対象データ収集が次年度に延期となったことより、次年度への持ち越しが生じた。次年度は、健常対象者への謝金とMRI装置の使用料金、学術成果発表等に充当する予定である。
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