2022 Fiscal Year Annual Research Report
安静時機能的MRIとの対応による認知症の包括的認知機能評価システムの構築
Project/Area Number |
19K14418
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
城間 綾乃 琉球大学, 病院, 特命一般職員 (50751567)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知機能障害 / 認知症 / アルツハイマー型認知症 / 軽度認知障害 / 安静時機能的MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、認知症の認知機能障害を捉える簡易神経心理検査バッテリーを開発し、認知機能障害の評価に加え、安静時機能的MRIを用いて安静時脳活動データを取得し、認知機能障害とその神経基盤として安静時ネットワークについて検討することを目的としていた。 2023年度は、アルツハイマー型認知症、軽度認知障害、健常被験者の計40症例を対象とし、簡易神経心理検査バッテリー(MMSE-J:Mini-Mental State Examination-J、時計描画検査、数唱課題、符号課題、立方体模写課題、Trail making test-J、Frontal Assessment Battery)を用いた認知機能評価と安静時脳活動データの取得を行い、認知機能に関与する主要な安静時ネットワークであるデフォルトモードネットワーク、実行機能ネットワーク、顕著性ネットワーク内およびネットワーク間の機能的結合性と各認知機能検査の得点との関連について検討を行った。その結果、実行機能ネットワークにおいて群間差が認められ、アルツハイマー型認知症および軽度認知障害群において機能的結合性の増強が認められた。また、MMSE-J得点とデフォルトモードネットワークの機能的結合性に有意な正の相関が認められた。デフォルトモードネットワーク、実行機能ネットワーク、顕著性ネットワーク間の機能的結合性と認知機能障害との関連について検討を行ったところ、実行機能ネットワーク-デフォルトモードネットワーク間の機能的結合性とMMSE-J得点において負の相関が認められ、実行機能ネットワーク-顕著性ネットワーク間の機能的結合性と時計描画検査得点において負の相関が認められた。これらの結果より、認知症および軽度認知障害においては、実行機能ネットワークを中心としたネットワーク間の相互作用の変調により認知機能障害を来していることが考えられた。
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Research Products
(6 results)