2019 Fiscal Year Research-status Report
月経が健常人と双極性障害の気分変動に与える影響:睡眠と対人関係を包括した作用機序
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19K14426
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
成瀬 麻夕 目白大学, 人間学部, 助教 (80813956)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 双極性障害 / 月経 / 対人関係 / 睡眠 / 女性ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
双極性障害の治療では、気分変動を安定化させ、再発を予防していくことが課題である。双極性障害に罹患する女性は、月経周期に伴い精神的/身体的症状が悪化しやすいことが知られているが、月経周期がどのような要因を介して双極性障害の抑うつ症状および躁症状に影響を与えているかについては十分に検討されていない。現在までの報告では、月経周期に関連した気分変動が存在すること、女性ホルモン(エストラジオール、プロゲステロン)の分泌に伴い抑うつ/躁症状が生じることが報告されている。また、月経周期と抑うつ/躁症状との関連に影響する要因として睡眠リズムと対人関係上の困難が挙げられる。本研究では、生物学的な指標として女性ホルモン、心理社会的要因として批判を介した対人関係と睡眠リズムが抑うつ症状および躁症状に与える影響を包括的に検討し、女性ホルモンの変動に起因する気分の変化が睡眠と対人関係に与える影響とその悪循環を明らかにすることで、気分症状の安定を目的とした体系的な支援を構築するための基礎的な知見を得ることができると期待される。 そこで、申請者は本研究に使用するツールを作成し、学術誌に投稿を行った(Biological Rhythms Interview of Assessment in Neuropsychiatry (BRIAN)日本語版の信頼性と妥当性の検討,精神医学,審査中)。その他に双極性障害の躁症状のメカニズムに関する学会発表および月経に関連する心理学的要因について国際学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関の移動に伴って、研究体制の確認や、設備の整備などに時間を要したため、当初の予定より遅れ現状で遅れが生じている。さらに、2020年初めより話題となっているコロナウィルスの影響により、面接でのデータ収集や検体の採取などが現状困難であり、再開のめどが立たない状態である。 事態が鎮静化したのち、すぐに調査が行えるよう、事前準備を整えるに終始している。
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Strategy for Future Research Activity |
現所属での倫理審査の承認を得たうえで、コロナウィルスの影響が鎮静したのち速やかに計画書に記載されているデータ収集のうち、一般健常者を対象とした横断調査を開始する。
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Causes of Carryover |
本研究の計画では、2019年度に横断研究が終了しているため、データ入力のための雇用費や、謝礼のクオカードなどの支出が発生する予定であったが、申請者の所属変更等の関係で研究の始動が遅れたことで次年度使用額が生じた。次年度は、当初の計画にのっとって調査を実施し、2019年度に使用しなかった調査の謝礼など計画に合わせた経費の使用を行う。
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