2022 Fiscal Year Annual Research Report
再犯防止指導実施者の心理学的介入スキルを規定する要因の検討とトレーニング法の開発
Project/Area Number |
19K14429
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
野村 和孝 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (60758192)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 再犯防止指導 / 指導者育成 / 心理学的介入スキル / 認知行動療法 / 多職種連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の再犯防止を目的とした心理学的介入プログラムは,再犯防止指導実施者の育成が課題とされている。心理学的介入プログラムにおいて再犯防止指導実施者は対象者と協同的な関係性を築くことが求められる一方で,協同的な立場と管理的な立場との間で「役割葛藤」を抱いてしまうこと,また「社会的望まし さ」から対象者の社会適応に「抵抗」を感じてしまうことなどの心理社会的要因が影響し,心理学的介入スキルの遂行が妨害されてしまうことがある。 そこで本研究では,再犯防止指導実施者の心理学的介入スキルを規定する心理社会的要因の検討と心理社会的要因の個人差に応じたトレーニング法の開発を目的とする。 令和5年度は,トレーニングプログラムの開発と研究の実施に関する調整を行った。なお,データ収集にあたっては,新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う研究実施施設の感染症対を踏まえ,令和5年度3月から令和5年度6月にかけてデータ収集を行う調整を行った。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果として,455名を対象とした質問紙調査の解析と研究発表(日本犯罪心理学会第58回大会など)を行い,主な結果として,対象者,職場環境,職務待遇,そして自身の生活に指導者の葛藤が生じること,職務環境が指導者の葛藤に影響すること,そして自分への優しさ,自己犠牲規範意識,そして対象者に抱く不快感情などの心理的要因がスキルの遂行を妨害していることを明らかとした。 調査研究の結果を受け,再犯防止指導実施者の心理学的介入プログラムの介入スキルの向上を狙いとした認知行動療法スキルのトレーニングに加え,葛藤への対処を主な内容とするセルフマネジメントを加えたトレーニングプログラムの開発を行なった。プログラムの効果性については,データ収集を継続し,研究発表を行う予定である。
|
Research Products
(4 results)