2021 Fiscal Year Research-status Report
摂食障害の集団家族心理教育の普及のための標準プログラム及びツールキットの開発
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19K14436
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
小原 千郷 文教大学, 人間科学部, 特任講師 (90807059)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 家族支援 / 心理教育 / 集団家族心理教育 / ケア負担 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、摂食障害の集団家族心理教育を全国に普及するための標準プログラムとツールキットを開発し、効果を検証することである。そのために、当初は既存の心理教育を実施している団体からプログラムやテキスト、実施のマニュアル等を収集し、エキスパートコンセンサスにより汎用性の高いプログラムを開発することを目指していた。 本目的に沿って、今年度も引き続き、コンテンツ収集及び、実施法の把握のため家族会の見学を行う計画を立て、家族心理教育を行っている家族会への見学を実施しコンテンツを収集し、文献検討を進めた。特に小児領域での家族心理教育においては、成人向けのコンテンツとは異なる心理教育が必要であることが明らかとなり、参加する患者の病型や並存症によっても心理教育の内容を変更したり追加したりする必要性が明らかとなった。 また、家族心理教育の成果を測定する指標として、家族のケア負担を測定することが必要であるため、317名の患者家族を対象に「日本語版Zarit介護負担尺度短縮版(J-ZBI_8)」の摂食障害の適応可能性を検証した。その結果、J-ZBI_8の内部一貫性は十分に高く、精神健康尺度(GHQ)と中程度、家族から見た症状の重さ(ABOS)と弱い相関があり、基準関連妥当性が示唆された。よって、摂食障害の家族のケア負担の測定にJ-ZBI_8の利用が可能であることが示された。 一方、COVID-19の影響により引き続き主要な家族会が中断されている状況にあり、また実行中の家族会も実施方法がオンラインに変更になるなどの転換点を迎えていることが明らかとなった。特にオンラインの心理教育が急速に広まりつつあり、それに応じた研究計画を作成する必要がある。COVID-19流行の影響により生じた家族会の、実施方法、内容、心理教育への影響を調査する計画を立て、研究計画を作成し、実施の準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
摂食障害の集団心理教育は、その名があらわす通り、集団で実施するものである。しかし、COVID-19流行の影響により集団で行う活動が難しくなり、多くの家族会が中断されている状況にあり、既存の家族会の実態調査や見学に基づく研究の実施は不可能であった。 そのため、研究計画を立て直し、①オンライン上で行う摂食障害の啓発活動に関する研究、②ケア負担尺度の摂食障害への応用の研究を実施、発表したが、本来の計画については大幅に変更となり、また遅れが生じている。 ただし、昨年度より計画の1年延長を考えており、それを踏まえて「やや遅れている」評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は本来であれば、今年度が最終年度であった。しかし、COVID-19流行の影響により集団で行う活動が難しくなり、家族会や家族心理教育の在り方も大きな転換点を迎えている。したがって、当初の目的を達成するために、実施期間を1年延長することを考えている。 特に、オンラインで行う心理教育も大幅な進展を遂げており、それを加味した研究を行う必要がある。 昨年度までの成果を踏まえ、今年度はCOVID-19による家族会の変化の実態調査を進め、引き続きオンラインで実施するノウハウやコンテンツの収集を実施する予定である。 そして、2023年度にツールキットの作成を完成させたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本研究は、集団家族心理教育に対するものであるが、COVID-19の影響により集団での家族心理教育が難しくなり、研究計画の実施に大幅は変更を余儀なくされるとともに、延期するのが妥当であると考えられた。具体的には、過去2年間、集団での家族心理教育が多くの団体で中止されていたことにより研究計画通りに家族会の見学及びコンテンツ収集を進められず、それに必要と見込んでいた予算の執行ができなかった。 それに伴い、昨年の時点で研究計画を1年延長することを考えており、このような予算の思考となった。 今後1年期間を延長し、アンケート調査、謝金、コンテンツ作成等の予算を執行する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Hybrid Cognitive Behavioral Therapy With Interoceptive Exposure for Irritable Bowel Syndrome: A Feasibility Study.2021
Author(s)
Misako Funaba, Hitomi Kawanishi, Yasushi Fujii, Koyo Higami, Yoshitoshi Tomita, Kazushi Maruo, Norio Sugawara, Yuki Oe, Satsuki Kura, Masaru Horikoshi, Chisato Ohara, Hiroe Kikuchi, Hajime Ariga, Shin Fukudo, Atsushi Sekiguchi, Tetsuya Ando
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Journal Title
Frontiers in psychiatry
Volume: 12
Pages: 673939-673939
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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