2021 Fiscal Year Research-status Report
乳がん患者のうつ病へ包括的に介入する対人関係療法の開発と効果検証
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19K14452
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
利重 裕子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70813848)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 対人関係療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度には研究協力者と協議の上、乳がん患者のうつ病に限らず、亡くなられた患者の遺族におけるうつ病・複雑性悲嘆にも対象を広げることとした。大切な人との死別は、人生における最も深刻なストレス因の1つであり、死別による喪失感に対する反応は悲嘆反応と呼ばれ、誰しも経験しうる正常な反応であり、頻度や強弱には個人差があるものの6カ月程度をピークに軽減するといわれている。しかし、悲嘆反応の程度や期間が通常の範囲を超えて日常生活に支障をきたし、うつ病・複雑性悲嘆(悲嘆反応が軽減せずに機能障害を引き起こす状態で、DSM-5では「持続性複雑死別障害」として、今後の研究のための診断項目に加わった)となる場合がある。そのため、亡くなられた患者の遺族おけるうつ病に加えて複雑性悲嘆に対しても、対人関係療法を修正することで症状改善が望める可 能性があると考え、遺族のうつ病・複雑性悲嘆に対する対人関係療法の前向き観察研究を計画し、倫理審査委員会の承認を得た。研究開始前には、うつ病・複雑性悲嘆に罹患した遺族3名に対する対人関係療法を施行した。 2021年度には、主診断がうつ病もしくは複雑性悲嘆である遺族に対する対人関係療法を施行し、4名の遺族に対する対人関係療法を終了した。現時点では、有害事象を認めず治療完遂率100%であることから、引き続き研究実施を継続していく。
また、2021年度にうつ病・複雑性悲嘆に罹患した遺族に対する対人関係療法について、研究協力者とともに課題点の整理・対策した。その上で、2020年度までと同様、日常生活における夫婦間の苦痛がある場合には適宜夫婦同席面接を行うことによって夫婦関係の苦痛を軽減することが重要であると考えられた。引き続き、夫婦間の苦痛にも着目をして、対人関係療法を施行していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
うつ病患者の対象を変更したため。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、研究対象となる患者の受診が減少したことで、研究のリクルートが滞った時期があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
チラシやHPを活用して研究のリクルートを進めていき、遺族におけるうつ病・複雑性悲嘆に対する対人関係療法の前向き観察研究において、目的症例数に達する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度に行った研究対象の変更ならびに新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により研究の進行が遅延したため、本年度の所要額が減少し次年度に予算を繰り越すこととなった。次年度にはチラシやHPを利用して研究対象となる患者のリクルートを行い、目的症例数を目指していく。
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Research Products
(1 results)