2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Japanese Version of the Reflective Functioning Questionnaire
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19K14459
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
荻本 快 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (00746612)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メンタライゼーション / リフレクティブ機能 / RFQ / Epistemic Trust / メンタライゼーションに基づく治療(MBT) / BPD (境界性パーソナリティ障害) / 集団療法 / 国際共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
境界性パーソナリティ障害(BPD)への効果的な治療法が、英国アンナフロイトセンターの精神分析家・臨床心理学者であるピーター・フォナギー氏と精神科医であるアンソニー・ベイトマン氏によってメンタライゼーションに基づく治療Mentalization BasedTreatment(MBT)として考案され、世界的に注目されている。メンタライジングとは、自己と他者の心理状態を振り返る能力のことであり、その操作的な表現がリフレクティブ機能(内省機能)である。 2022年3月には、学術雑誌「精神科」(科学評論社)に論文「メンタライゼーションに基づく治療(MBT):Not knowingの意義と集団療法の実践」を発表した。このリフレクティブ機能に関する臨床技法研究は、多くの閲覧数を得ている。本論はMBT Scotland代表リンダ・トレリビング氏との日英共同執筆であり、ベイトマン氏による監修を受けた。 2021年6月には「発達障害とメンタライゼーション」と題して、マーティン・デバネ氏(University College London、在スイス)を招聘し、子どものMBTのスーパーヴァイザーであるガヴィニオ重利子氏と共に国際シンポジウムを開催した。参加者は500名を超え、幅広い職種の参加者からの関心に応えることができた。 2022年1月には、MBT Clinicians Japan設立記念国際シンポジウム『今、日本語圏においてMBTの核を問う』をガヴィニオ氏と共に企画し、シンポジウム「Epistemic trustを日本の文脈で捉えなおす」では司会を務め、臨床カンファレンス「MBT Case Conference」の通訳を担った。ピーター・フォナギー氏、クロエ・キャンベル氏、カリン・エンシンク氏、リンダ・トレリビング氏を招聘し、英国、カナダ、スコットランド、スイス、日本をつなぐ国際学術集会となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年3月には、学術雑誌「精神科」(科学評論社)に論文「メンタライゼーションに基づく治療(MBT):Not knowingの意義と集団療法の実践」を発表した。本論はMBT Scotland代表リンダ・トレリビング氏との日英共同執筆であり、ベイトマン氏による監修を受けた。MBTの個人療法も集団療法も、他のセラピーとは独立した、特有の考え方に基づくサイコセラピーであり、体系的に実践や訓練がおこなわれている。リフレクティブ機能もその概念の独立性や概念発達の経緯に基づき検討される必要がある。本論では、MBTの実践者が最初に学ぶべき態度であり、モデルの基盤としてその実践を通じて問われ続ける"Not knowing stance"に焦点を当て、その意義を論じた。本雑誌は多くの大学・基幹病院に所蔵されており、オンラインでの閲覧も可能である。 国際集団精神療法・集団過程学会(International Association for Group Psychotherapy and Group Processes)のニューズレターGlobeletterに、日本におけるMBTの集団療法(MBT-G)の実践と訓練の動向を報告するレポートが掲載された。 2021年6月には「発達障害とメンタライゼーション」と題して、マーティン・デバネ氏を招聘し、ガヴィニオ重利子氏と共に国際シンポジウムを開催した。参加者は500名を超え、幅広い職種の参加者からの関心に応えることができた。 2022年1月には、MBT Clinicians Japan設立記念シンポジウム『今、日本語圏においてMBTの核を問う』をガヴィニオ氏と共に企画した。ピーター・フォナギー氏、クロエ・キャンベル氏、カリン・エンシンク氏、リンダ・トレリビング氏を招聘し、カナダ、スコットランド、スイスそして日本をつなぐ国際学術集会となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も新型コロナウイルスの感染拡大によって、医療現場をフィールドにした調査研究を行うことが困難な状況が続いた。2022年度は新型コロナウイルスの感染抑制の状況を見ながら、日本語版RFQをBPDと診断された患者に対して実施する。その際には、医師を通した患者への間接的な依頼だけでなく、オンラインで質問紙を実施することも検討していく。質問紙の結果について、因子分析を行い、因子構造と内的整合性、再検査信頼性を検討する。そして日本語版RFQをToronto Alexithymia Scale等の尺度と共に実施、構成概念妥当性を検討していく。日本語版RFQの妥当性と信頼性を検討する際にはオリジナル版を作成したピーター・フォナギー氏やパトリック・ライトン氏とのディスカッションを行うと共に、国内の研究者との連携を広げていく。 アンナフロイトセンターと共同するUniversity College of Londonでおこなわれている臨床と研究のプロジェクトは、精神分析をより開かれた民主的なものへと変革させようとしている点において、革新的である。この開放性と協働性が、MBTやメンタライゼーション研究の基底にあることを付しておきたい。MBTの導入においても開放性と協働性が維持されるよう期待される。日本におけるadherence の問題について、関係者は議論の透明性を高め、異論の排除をすることなく、辛抱強く議論を続けていくことが必要であろう。
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Causes of Carryover |
事業の目的をより精緻に達成するための研究の実施する。前年度までの調査や研究を整理し、国内外の学術大会等での発表をおこなっていく。
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Research Products
(20 results)