2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Japanese Version of the Reflective Functioning Questionnaire
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19K14459
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
荻本 快 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (00746612)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メンタライゼーション / リフレクティブ機能 / RFQ / メンタライゼーションに基づく治療(MBT) / BPD(境界性パーソナリティ障害) / 国際共同研究 / サイコセラピー / 集団療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
境界性パーソナリティ障害(BPD)への効果的な治療法が、英国アンナフロイトセンター(AFC)の精神分析家・臨床心理学者であるピーター・フォナギー氏と精神科医であるアンソニー・ベイトマン氏によってメンタライゼーションに基づく治療Mentalization Based Treatment(MBT)として考案され、世界的に注目されている。メンタライジングとは、自己と他者の心理状態を振り返る能力のことであり、その操作的な表現がリフレクティブ機能(内省機能)である。 昨年7月、日本語圏で初めての公認MBT実践者(MBT Practitioner)として英国アンナフロイト(Anne Freud)と英国精神分析委員会(British Psychoanalytical Council)に登録された。 2023年4月に公認MBT Supervisor/Associate Trainerのスーパーヴィジョンを受けながらMBTの臨床を続けるメンバーによって、MBTの実践と訓練を続ける臨床家のための学術組織・職能団体、日本MBT協会(Japan MBT Society)が設立された(https://www.jmbt.org/)。 2023年7月にはMBT Scotland元ChairのLinda Treliving博士を招聘し、日本MBT協会の初めての学術集会が相模女子大学で開催された。シンポジウム「MBTの実践を始めよう:訓練を通した共通基盤の形成」において申請者は話題提供「英国で発展したMBTが日本語圏に導入される:日本語圏で初めてMBT Practitioner資格を取得すること」をおこない、公開スーパーヴィジョンにおいて事例提供者を務め、いくつかの企画で司会を務めた。また同月に関西のキャンパスプラザ京都においてTreliving博士の公開スーパーヴィジョンが行われ申請者は通訳者として携わった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本語圏初の公認MBT Practitionerとして英国精神分析委員会と英国Anna Freudに登録され、また、当初の予定よりも研究発表の機会に多く恵まれ、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も日本語版RFQをBPDと診断された患者に対して実施する。その際には、医師を通した患者への間接的な依頼だけでなく、オンラインで質問紙を実施することも検討していく。質問紙の結果について、因子分析を行い、因子構造と内的整合性、再検査信頼性を検討する。そして日本語版RFQをToronto Alexithymia Scale等の尺度と共に実施、構成概念妥当性を検討していく。日本語版RFQの妥当性と信頼性を検討する際にはオリジナル版を作成したピーター・フォナギー氏やパトリック・ライトン氏とのディスカッションを行うと共に、国内の研究者との連携を広げていく。 国際精神分析協会のIPA in the Humanitarian Field Committeeの委員として、アジア・太平洋の各地域のIPA傘下団体のあるオーストラリア・中国・インド・日本・韓国・台湾から精神分析家の代表が集い、地域における植民地主義といった過去が現在のメンタルヘルス領域や社会に与える影響について「共同で考える(co-thinking)」シンポジウムの企画に携わっている。企画と運営にあたってはReflecting Functioningの知見が活かされた。次回シンポジウムは2024年5月に国際精神分析協会アジア太平洋地域シドニー大会で行われる。 アンナフロイトセンターと共同するUniversity College of Londonでおこなわれている臨床と研究のプロジェクトは、精神分析をより開かれた民主的なものへと変革させようとしている点において、革新的である。この開放性と協働性が、MBTやメンタライゼーション研究の基底にあることを付しておきたい。MBTの導入においても開放性と協働性が維持されるよう期待される。
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Causes of Carryover |
先方の都合により現地調査ができなくなり、その分の予算が余ったことで次年度使用額が生じた。事業の目的をより精緻に達成するための研究を実施する。前年度までの調査や研究を整理し、国内外の学術大会等での発表をおこなっていく。
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