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2020 Fiscal Year Research-status Report

商業施設での「声かけ」による万引き防止効果の検証

Research Project

Project/Area Number 19K14464
Research InstitutionFukuyama University

Principal Investigator

皿谷 陽子  福山大学, 人間文化学部, 助手 (50739761)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords万引き / 商業施設 / 声かけ / 防犯対策
Outline of Annual Research Achievements

2020年1月2月に北海道のドラッグストアで計2回の研修を実施し,研修前後に店舗内犯罪の防犯意識尺度によるアンケート調査を実施した。研修会前後及び雇用形態の違いによる店員のホスピタリティと防犯意識の分析を行った結果,研修前の平均値に比べ,研修後の平均値では正社員は上昇,パートアルバイトは減少傾向がみられた。ホスピタリティ「顧客理解力」では,研修の受講に関係なく正社員の方がパートアルバイトよりも平均値が高かった。防犯意識では,全ての項目で研修会前後および雇用形態の違いによる差異は認められなかったが,正社員では研修会後で平均値が高くなる項目もあった。この調査結果を日本ホスピタリティマネジメント学会誌へ投稿し,2021年1月に採択された。また,広島県内の商業施設の店員に対してのアンケート調査を2020年度も実施する予定であったが, 新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により未実施である。今後,協力警備会社と連携し実施予定である。
2019年度実施の万引き防止対策「声かけ」の媒介の違いによる印象評定についての予備実験において,万引き防止対策「声かけ」の有無で模擬万引き課題中の実験参加者の行動の追加分析を行った。先行研究で示された万引き犯の辺りを見渡す行動を,周囲に注意を払うしぐさと考え,万引き防止対策「声かけ」の有無で,周囲に注意を払うしぐさの回数の違い,実験室での滞在時間や商品を隠匿するまでの時間,行動を躊躇するようなしぐさについて検証した。その結果,先行研究で示された万引き犯がとる行動が模擬万引き課題時でも確認でき,所有物でない物を搾取するという行為の際は,何かしら周囲が気になり,周囲を見渡す行動をとるということが確認できた。また,声かけがためらい行動の増加と相関すること,周囲に注意を払うことが多くなると滞在時間も長くなることも分かった。今後も分析を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度は万引き防止対策の「声かけ」の媒介の違いによる印象評定を実験室での実験及び現場での実施を計画していたが,新型コロナウイルス (COVID-19)の影響により勤務大学での対人実験への制約,協力警備会社や現場(スーパーマーケット)対人への実験調査の実施ができなかった。さらに,Web調査での業種の違いによる万引きされやすい商品等の調査を行う予定であったが,コロナ禍の影響により販売系の職種の勤務形態の変化を鑑み未実施である。上記の理由より,進捗状況として「やや遅れている」と判断する。

Strategy for Future Research Activity

2020年度は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により対人に対する実験調査の実施は不可能であった。2021年度は新型コロナウイルスの状況を十分に考慮しつつ,研究計画を見直しながら,環境統制が可能であり,感染予防対策が取りやすい実験室にて,万引き防止対策の「声かけ」の媒介の違いによる印象評定を可能な範囲で対人実験調査を行う。さらに,協力警備会社と行っている商業施設の店員に対する研修前後での店員の万引き防止行動の促進(防犯意識や防犯対策行動も含め)の検討については,以前に作成した防犯意識尺度及び防犯対策行動尺度と検討中の追加項目を用いて調査を行う。協力警備会社と打ち合わせを行った後,プレ調査を2021年5月6月目途に調整中である。
また,2019年度及び2020年度実施予定であったWeb調査での業種の違いによる万引きされやすい商品や店舗での万引き対策について,個人で意識して行っている店舗での防犯対策や店舗内防犯機器・対策の特徴についての調査を早急に行う。加えて,協力警備会社と行っている商業施設の店員に対する研修前後での店員の万引き防止行動の促進の検討で使用する調査項目を用いWeb調査も実施し,万引き防止対策に関する研修会の可能性を検討する。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により対人に対する実験調査の実施は不可能であった。さらに,勤務大学での新型コロナウイルスへの対応及び規制もあり,協力警備会社との調整が困難であった。また,協力警備会社が調査実施先(商業施設)へ出向き研修を実施し,研修前後で調査を行う予定であったが,商業施設での新型コロナウイルスの影響を踏まえた結果,研修を実施することが困難と判断した。よって,実験及び調査の計画の見通しが立てられず2020年度を前年度のデータの再分析及び追加分析を行うこととした。また,行う予定であったWeb調査も未実施であるため今年度早急に実施する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 店員教育がホスピタリティと防犯意識に及ぼす影響―店内での万引き防止の取り組みについて―2021

    • Author(s)
      皿谷陽子・大久保智生
    • Journal Title

      日本ホスピタリティ・マネジメント学会誌

      Volume: 31 Pages: 79-88

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 「声かけ」が万引き行動のしにくさに及ぼす影響―模擬万引き課題を用いて―2020

    • Author(s)
      皿谷陽子・平伸二・仲真紀子
    • Organizer
      日本心理学会第84回大会
  • [Presentation] 万引き防止対策「声かけ」による万引き行動の抑止効果について ―模擬万引き課題時の行動特徴による探索的検討-2020

    • Author(s)
      皿谷陽子・平伸二・仲真紀子
    • Organizer
      日本犯罪心理学会第58回大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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