2020 Fiscal Year Research-status Report
Neural basis of perseveration in ruminative thought
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19K14465
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
西村 春輝 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 博士研究員(任常) (20826119)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 反すう / fMRI / 自己 / ストレス / ワーキングメモリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、fMRI実験を行うための認知課題の作成と予備実験を行った。 反すうは自己に対して反復的に注意を向ける認知プロセスであるという観点に注目し、MRI内で反復的に自己関連付けを行う課題を2名の実験参加者に対して実施した。具体的には性格を記述する形容詞をMRI内で実験参加者に提示し、自己あるいは有名人に当てはまるかどうかの判断を繰り返し行ってもらった。個人レベルでの解析を行った結果、提示された特性語が有名人に当てはまるかどうかの判断を行った時に比べて、自己に当てはまるかどうかの判断を行った時、楔前部(Precuneus)や後部帯状皮質(Post Cingulate Cortex)といった領域の信号強度が高かった。これらの領域は、一般にデフォルトモードネットワークと呼ばれる、自己内省を行っている時に脳活動が高まる領域の一部であることから、事前に想定していた通り、課題中に実験参加者は自己内省を行っていたことが示唆された。このような課題を行うことで、反すうと類似した認知プロセスをMRI内で再現することが可能であることが示唆された。なお、ここではストレス誘導の効果は調べていなかったため、本実験ではストレス誘導の効果を調べる必要がある。 また、予備実験として3名の実験参加者にStroop課題、n-back課題を実施したところ、先行研究と一致した結果が得られた。これらは、先行研究において反すうの持続性との関連が示されている認知機能課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次年度実施するfMRI実験課題の予備実験を実施し、実験操作の妥当性が示されたが、本実験を実施するまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は予備実験の結果を元に、本実験を実施する。具体的には、スピーチによるストレス誘導後、開発した自己関連づけ課題を行い、ストレスによる反すう持続の脳内基盤を明らかにする。また、昨年度の成果を活かし、ネットワーク解析にもとりかかる。
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Causes of Carryover |
既存の設備等を援用したため、支出額が少なく、次年度使用額が生じた。次年度は所属異動のため設備購入が必要である。また本実験のリクルート等にあてる予定である。
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