2019 Fiscal Year Research-status Report
げっ歯類を用いた時間的順序記憶の神経メカニズムの解明
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19K14469
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
椙田 麻菜美 筑波大学, 人間系, 客員研究員 (70776765)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 時間的順序記憶 / 海馬 / 内側前頭前野 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
過去に経験した出来事の順序についての記憶を時間的順序記憶という。本研究の目的は、時間的順序記憶課題の記憶処理過程(記銘、固定または検索)における、腹側海馬、背側海馬、内側前頭前野(mPFC)の役割について行動薬理学的手法を用いて検討することである。 本研究で使用する自発的物体再認パラダイムを用いた時間的順序記憶課題は、使用する項目数や遅延時間などの条件によって、課題成績が異なることが報告されている。そのため2019年度は、自発的物体再認パラダイムを用いた時間的順序記憶課題についてラットを被験体として本研究において適切な実験条件を検討した。課題は2回の見本期と1回のテスト期から構成されており、各見本期でラットは 2つの同一物体が置かれたオープンフィールド内を5分間自由探索した。2回目の見本期(見本期 2)では、1回目の見本期(見本期 1)と異なる物体が提示された。見本期間の遅延時間は1時間とした。そして、見本期2の1時間後にテスト期を開始した。テスト期では、見本期 1と 2で提示されていた物体が1つずつ置かれたフィールド内を被験体に5分間自由探索させ、各物体への探索時間を測定した。その結果、ラットはより以前に探索した物体(見本期1で提示されていた物体)を有意に多く探索していた。このことから、ラットはこの課題において時間的順序を弁別できることが示唆された。そのため今後、この課題を用いて腹側海馬、背側海馬、mPFCの役割について検討していくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、本年度から時間的順序記憶課題における脳内薬物投与実験を行うことを予定していた。しかし、薬物投与実験を行う前に、使用する自発的物体再認パラダイムを用いた時間的順序記憶課題において適切な実験条件を検討することとした。そのため、当初の予定よりも研究の進捗に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の実験により、使用する時間的順序記憶課題の条件を決定することができた。そのため、この課題を用いて2020年度は脳内薬物投与実験を行い、ラットの時間的順序記憶課題の記憶処理過程(記銘、固定または検索)における、腹側海馬、背側海馬、内側前頭前野(mPFC)の役割について検討していく。
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Causes of Carryover |
2019年度は、当初予定していた脳内薬物投与実験を実施しなかったことから、研究の進捗に遅れが生じた。そのため、予定していた使用額を下回った。2020年度は実験実施のために、動物の購入と飼育、カニューレ等の消耗品の購入、研究成果発表および情報収集のための学会参加の費用に充てることを予定している。
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Research Products
(2 results)